第208話 黒龍王と戦うにゃ
3つ首龍人を倒した俺達の前に黒龍王アスラが玉座のある台からゆっくりと降りてきた。
「少し評価を間違えていたようだ。お前達はもっと先に倒しておくべきだったようだ。」
黒龍王アスラは手にした剣を抜いた。
黒龍王と言うだけに刀身の真っ黒な両刃の剣である。
「何、格好つけてるのよ。あんたなんかボコボコにしてやるんだから!」
エリスが鼻息荒くアスラに突っ掛かる。
ボン!
その時、エリスの身体が小さな妖精の姿に戻ってしまった。
「…来人がやっつけるのよ。」
エリスがバルキリーモードになっていられる時間が終わってしまった。
しかし、エリスの変身が解けてしまったのはかなりの戦力ダウンだ。
「肝心のな時にタイミングが悪いにゃ。」
「仕方ないじゃない。」
「仕方にゃい、ブリット行くにゃ!こにゃことエリスは援護をすらるにゃ!」
俺とブリットは2人同時に黒龍アスラに攻撃を仕掛けた。
俺の武御雷での連撃を黒龍王アスラは一歩も動かず最小限の動きで捌いていく。
そこにブリットが拳と蹴りの連撃を打ち込んでいった。
流石に黒龍王アスラも足を止めて捌くことが出来なくなり、少しずつ足を使いだした。
「いつまで余裕かましているにゃ!」
ビュン!
俺の剣が黒龍王アスラの頬をかすめた。
黒龍王アスラの頬に赤い血の線が浮かぶ。
「黒龍王アスラにも俺達と同じ赤い血が流れているんだにゃ。」
しかし、一瞬、浮かんだ傷も直ぐに再生して消えてしまった。
「御主人様、こいつも再生能力があるようです。」
「そろそろ、こちらから攻撃させてもらうかな。」
ドンッ!
黒龍王アスラの膝蹴りかブリットの腹部に突きさった。
「ガハッ!」
ブリットは動きが止まった。
バキ!
そこに更に黒龍王アスラの蹴りをもう一発喰らって壁際まで吹き飛んだ。
俺は背を向けた黒龍王アスラに斬りかかった。
ガキン!
しかし、俺の一撃は黒龍王アスラが振り返り際に放った剣の一撃を受け止められ、俺はそのまま壁に叩き付けられた。
「その程度か、俺の思い違いだったか。」
「来人、ブリット!」
エリスが心配気に声をあげた。
「やっぱり、出し惜しみしている余裕は無さそうだなにゃ。」
「そうですね、御主人様。」
「こにゃこ、出番だぞ。」
「分かったあれをするんだにゃんな!」
「行くぞ、融合合体にゃ!」
俺とブリットとこにゃこは一斉に駆け寄った。