第203話 龍人(ドラゴニュート)来襲にゃ
城の中に突入した俺、ブリット、エリス、コニャシアの4人は体育館程の広さの大ホールにいた。
ホールの奥に上へ続く階段があった。
「外に出てきた連中はここに待機していたんだろうにゃ。かなり広いけどあの連中全部入るには少し狭いにゃ。」
「敵の気配もしないようです。御主人様。全て外に出たのでしょうか?」
「そうだと後はボスキャラだけになるんだけど、そうはいかにゃいだろうにゃ。」
「敵が出てきたらぶっ飛ばしたらいいのよ。それでコニャシア、アメイシアは何処なのよ?」
「上の階の様です。」
「それで来人、何か作戦は考えているんでしょうね。」
「作戦にゃ?敵が出てくる、戦う、やっつけるって感じかにゃ。」
「そんなの作戦じゃないわよ。」
「とりあえず、俺とブリットが前面で戦うからエリスは精霊を呼んで俺達を援護しれくれにゃ。」
「分かったわ。」
「御主人様。何か降りてきます。」
「分かってるにゃ。かなりの威圧感にゃ。」
「黒龍王なの?」
「分からないにゃ。でもかなりの強敵に違いないにゃ。」
その時、ホール奥の階段から威圧感の正体が現れた。
その姿は龍の様な頭に人の四肢を持ち全身を鱗に覆われ背中にはコウモリの様な羽があった。
「龍人にゃ。」
「こんなのもいるの?」
龍人は俺達を爬虫類独特の冷たい目で一瞥した。
次の瞬間、龍人は俺達に襲いかかってきた。
バキッ!
ブリットが龍人の尻尾の一撃を受けて吹き飛ばされていた。
俺はすかさず雷炎神にゃんこになると武御雷を抜き、ブリットを追撃しようとしていた龍人に斬りかかった。
しかし、龍人は剣の様に伸びた両手の爪でブリットを貫こうとしていた。
ギィイン!
ブリットは手からレーザーソードの様に光る剣を出して龍人の爪を受け止めていた。
「私があれ位でやられるはずがないじゃないですか。御主人様。」
ブリットは尻尾の一撃を受けた際、自ら後方に飛んで威力を半減させていたのだ。
「ブリット、手から剣を出す技、かっこいいにゃ。」
「私は御主人様の様に剣は持ちませんし、爪を伸ばして受けて真似をしたと思われるのも嫌ですのでね。」
「なるほどにゃ。」
「離しなさい。」
その時、コニャシアの声に振り返るとブリットと戦っている奴と別の龍人がコニャコを捕まえているところであった。
コニャシアを捕まえた龍人は俺達に眼もくれずに階段を登って逃げていった。
「しまった、狙いはコニャシアだったにゃ。」
俺がコニャシアを連れ去った龍人を追って階段を登ろうとしたところ、更に2体の龍人が姿を現し、俺の行く手を遮ったのである。
「くそ、コニャシア!」
「ごめん来人。私もブリットの方に気を取られてて気が付かなかった。」
エリスが謝ってくるがこればかりはエリスに責任はない。
「くそ、さっさとこいつ等を片付けて後を追うにゃ。」
コニャコは俺の分身の様なものだし、フェリシアがいなければ俺達は元の世界に帰れないのだ。