第202話 弟子入りにゃ
修一と超八戒との戦いは未だ決着が着いていなかった。
「大体、二頭身ブタが八頭身のイケメンに変身かするなんて、原型とどめてないだろ。」
「おらだって好きでこんな格好に変身している訳じゃねえべ。これしか変身出来ねえだけたべ。」
超八戒は二頭身ブタの時と比べ物にならないスピードで蹴りを放ってきた。
しかし、修一のスピードは更にその上をいっていた。
修一は超八戒の蹴りに合わせてカウンターの蹴りを放った。
バキッ!
超八戒は修一の蹴りを顔面に受けてひざ着いた。
「なかなかタフだな。しかしスピードはまだまだ俺に追い付けないぜ!」
「うるさい、おらの力はこんなもんじゃねえ!猪突猛進!」
超八戒の全身を赤い光が包み物凄いスピードで突進してきた。
「ラガーマンの俺に体当たりか。」
修一は低い体制で身構えると超八戒の体当たりを身を沈めてかわし、タックルを決めて押し倒した。
「いままで避けられたことの無い、おらの猪突猛進が……」
「そんな腰の高い体当たりを何か何百回でも止めてやるぜ。」
「くそー、超八戒で手も足も出んなんて……」こうなったら最後の手段や!」
「何だまだ何かあるのか?」
ポヒュン!
超八戒は変身が解け二頭身ブタの姿に戻った。
「おらをあんさんの弟子にしてけろ!」
八戒は修一に深々と頭を下げた。
「何だって?どうしてそんな発想が出てくるんだ!」
「おらは修行になると思ってこの戦いに参加しただけで黒龍王や女神アメイシアの家来じゃねえべ。おらを弟子にしてけろ!」
「どうしてそういう発想になるかな?」
「いいんじゃないの、弟子にしたら。」
声を掛けてきたのはおっさんキマイラを撃破したアリアだった。
「アリア、何を?」
「まだまだ敵は残ってるし、戦わなくてすむのならいいんじゃないの。裏切っても元に戻るだけで損は無いわよ。」
「それもそうだな。良し、八戒、弟子にしてやる。」
「師匠、おらがんばるだ。」
「お、修一の方はどうなってるんだ?」
シュテンを倒したデュークが声を掛けてきた。
「こいつは八戒、さっき俺の弟子になったんだ。」
「戦いの最中に相手を弟子にしちまったのか?」
「まあ、続けて戦うより楽だしな。」
「お前も来人も異界人はとぼけた連中だな。」
「あんたシュテンを倒しちまったのかい?信じられねえべ。」
「あら私もおっさんキマイラを倒したわよ。」
「あいつは大したことはねえべ。」
「後は、雑魚共を城に近付けるな!」