第20話 温泉に入るにゃ
「極楽にゃ~!」
「猫も風呂に入るんだな。身体舐めて毛づくろいするのかと思ってたよ。」
「デューク、俺は猫じゃなくて人間にゃ。風呂くらい入るにゃ!」
「まあ、そんなことどうでもいいじゃないか。」
「シデン。俺にとっては重要なんだにゃ。」
「でも私まで温泉に入ってもいいんですか。私、一応、囚人ですよ。」
「ゴドーさん、デュークがOK出したんだから気にしない、気にしない。」
俺、デューク、シデン、ゴドーの4人は、露天風呂に入って身体の疲れを癒していた。
俺たちは、モルドーの町と首都リーンとの半ばある温泉で有名なミド村で宿を取っていた。
「まあ、ゴドーさん一人で残す訳いかないし、護衛で一人残すくらいなら皆で入った方がいいじゃない。」
温泉は皆で楽しむものである。
「さて来人、この柵の向こうには何があると思いますか。」
「え、女湯だけど、それがどうしたにゃ。」
「そう、女湯となればお約束でしょう。」
「シデン、女湯には今、アリアが入っているんだぞ。覗きなど断じて許さん。」
「何を言います、お兄さん。男のロマンじゃないですか。ねぇゴドーさん。」
「私に振らないでください。」
「貴様等、許さん!シデン、待てー!」
「何か、男湯の方、うるさいわね。もう、あがりましょう、アリア。」
「そうだね、出ようか。せっかくの温泉が台無しだね。」
「温泉は、静かにはいるもんにゃ。」