第199話 超八戒にゃ
「何だと、それならさっさとお前達を倒して来人達の後を追うさ。」
「ブヒッ、寝言は寝て言うんだぶー!」
ダダダダダッ!
武道ブタが飛び上がり修一の顔にパンチの連打を浴びせた。
修一は武道ブタを捕まえようとするが、逆に体格差が仇となり素早い武道ブタを捕まえることが出来ない。
修一は武道ブタの姿を見失ってしまった。
「あのブタ、何処に行った?」
「ブタ言うんじゃない、おらの名前は八戒だ!」
修一の頭の上に立っていた武道ブタの八戒は瓦でも割るかのように修一の頭にパンチを打ち込んだ。
ゴン!
激しい痛みに修一は思わず頭を抱えた。
「こいつの相手をするには巨大化していると逆に不利だ。」
修一の身体はみるみる小さくなり元の大きさへと戻った。
「ふん、小さくなっても何も変わらないべ!」
八戒は再び修一目掛けて飛び掛かった。
「そう何度も殴られてたまるか。」
修一のカウンターの蹴りが八戒に命中した。
ドカッ!
「ブヒッ!」
修一は銀色の身体の流星月詠モードに変身していた。
「これから更にもう一段上に!」
修一の銀色の体に更にファイアパターンが両腕に浮かび上がる。
「流星日輪月詠モードだ!」
「それがどうしたた!」
その瞬間、一気に間合いを詰めた修一が八戒にボディブローを叩き込んだ。
「チャーシューにしてやる!」
修一の腕のファイアパターンがそのまま本物の炎となり八戒を包んだ。
「あちち、ち!」
八戒は地面を転がり炎をもみ消した。
「何だべ、おらだってパワーアップするぞ!おらはこの姿は醜いから嫌いなんだが贅沢はいってられなねえべ、はーっ!」
ボッ!
八戒の姿は小柄な二頭身ブタから八頭身に大きくスタイルが変わり、顔はワイルド系のイケメンに変わった。
「超八戒だ!」
ドン!
超八戒が一気に間合いを詰め蹴りを放つ。
ガシッ!
修一も負けずに蹴りを放った。
均衡したパワーに衝撃波が走った。
「おらの超八戒と互角とはたまげたぞ!」
「それはこっちのセリフだ。イケメンで強いのはもういらないんだよ!」
その側でデュークと大剣の鬼との戦いが始まろうとしていた。
「俺の名はシュテン!冥土の土産にお前を倒す男の名を覚えておくんだな。」
「俺には相手の名前等の興味はないんでね。ましてやこれから倒す相手の名前なら尚更な。」
「は、ははは!それでは口だけで無いところを見せてもらおうか!」
シュテンは大剣を振りかぶり八岐の大蛇の頭に乗るデュークに斬りかかった。
「行け大蛇!」
8つの頭の二つが超八戒の左右から襲いかかった。
ズバズバ!
シュテンは大剣を軽々と振り回し大蛇の頭を斬り落とした。
「大蛇では荷が重い相手のようだな。大蛇よ、戻れ!」
デュークは大蛇の召喚を解除した。
「自慢の大蛇がいなくてどうする蛇使い?」
「残念だが大蛇が俺の力の全てではない。」
デュークは二本の刀を抜くと構えた。