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第188話 王宮からの増援にゃ

「さて、こいつはどうする?まだ生きているけど止めを刺しておくか?」

 ミックがシトロンの首にナイフを当てた。

「ちょっと待って!こんなこと言えた義理じゃ無いんだけど、シトロンを殺すのは待ってもらえないかしら?やな奴だけど死んじゃうのもね……」

 ベルガモットが俺に訴えた。

 シトロンはメフィストの攻撃により、全身にひどい火傷を負って息も絶え絶えでいた。

「こいつは理沙を拐ってアメイシアの依代にしようとしたんだぞ。」

 ロンがベルガモットをにらみつける。

「来人、私からもお願い。」

「理沙は身体を乗っ取られるところだったんだにゃ!」

「いいの、こんな状態じゃ仕返しも出来ないじゃない。」

「理沙が良いのなら仕方がにゃいな。それじゃあエリスこいつを回復してやってにゃ。」

「分かったわ。」

「ありがとう、こんな奴でも死ぬと気分悪いから。」

 エリスの回復魔法により傷は癒え、シトロンは眼を覚ました。

「アメイシア様?」

「アメイシアじゃないわよ!」

バキッ!

 理沙の右ストレートがシトロンの顔面にめり込んだ。

「グハッ!」

 シトロンは再び気を失った。

「あー、スッキリした。」

「相変わらずにゃ!」

 ここだけの話だが小さい頃、俺は理沙とケンカしてよく泣かされたものだった。

「えーと信じてもらえないだろうけど私もキノットもアメイシアを復活させるなんて知らなかったんだよ。」

「アメイシアだろうがフェリシアだろうが関係ないにゃ!問題は理沙を犠牲にしようとしたことにゃ!」

「それは言い訳のしようもないけど。」

 その時、オルソン、ソーマ、メイヤ、コスロが縛り上げたキノットを連れて儀式の間に飛び込んできた。

「何だ、この荒れようは?」

 天井に大きな穴が出来、そこらじゅう瓦礫となった儀式の間の状況を見て、オルソンが叫んだ。

「そんなことより、理沙は助けられたのかい?」

「メイヤ、私は無事よ。」

「よかった。間に合ったんだね。」

「無事を喜ぶのは後だ。王宮から増援の兵が来やがった。早く逃げないと!」

「そうだよ。かなりの数が押し寄せてきているよ。」

 そこに王宮の増援が儀式の間に押し寄せてきた。

「やばい、もう来やがった。」

「どうするんだよ、来人?」

「あの侵入者は邪神アメイシアの手先だ!奴らを生かして帰すな!」

 突然の叫び声に声の方を見るとシトロンが鼻血を手で押さえながら叫んでいた。

「あの野郎、いつの間に!だから助ける必要なんて無かったんだ。」

「ベルガモットとキノットは奴らの仲間だ!遠慮はするな!」

 思わぬシトロンの言葉にベルガモットとキノットが顔色を変える。

「何よ、命乞いまでしたのに。」

「あいつは自分が前王を暗殺して女王にアメイシアを復活させたことを知っているお前を俺達共々抹殺するつもりにゃ!」

「嘘でしょ、あいつ前王まで暗殺してたの?」

「知らなかったのにゃ?さっき女王に自慢気に言っていたにゃ。」

「知っていたら命乞いなんてしないわよ。」

「あいつをぶっとばすのは又にして天井の穴から逃げるにゃ。ロン!」

「よし、まかせろ!」

 ロンの身体がムクムクと大きくなり、天井を突き破る。

「皆、ロンに掴まれ!」

 俺はベルガモットとキノットを縛っていたロープを切った。

「残るか、着いてくるかは、自分で決めるにゃ!」

「着いて行くわよ。残ったら殺されちゃうもの。キノット、行くわよ。」

「私、全然、状況分かんないんだけど……」

「後で説明するから急いで逃げるよ!」

 俺達はロンの身体にしがみ付いた

「行くぞ!」

 ロンは天井の穴を押し広げなから屋根の上に登った。

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