第183話 融合合体(フュージョン)にゃ
「御主人様理沙の身体は邪神アメイシアに乗っ取られています。攻撃したら理沙の身体が傷つくこととなりますがどうしますか?」
ブリットはアメイシアを攻撃するわけにもいかず、俺に指示を求めてきた。
しかし、俺にもどうしたら良いのか分からない。
俺は理沙の中のアメイシアだけを退治する手段を持っていないのだ。
その時、コニャコフェリシアが俺に言った。
「今なら、まだ、手段は有ります。アメイシアの魂は、理沙の身体に馴染んでいません。理沙からアメイシアの魂を追い出せるかもしれません。」
「それは本当にゃ?どうすれば、いいのにゃ?」
俺は藁にもすがる思いでコニャコフェリシアに聞き返した。
「私が理沙の身体に入りアメイシアを追い出します。」
「あんたを信用しても大丈夫にゃのか?」
「信用するか、信用しないかは、あなたの次第です。ただ、迷っている時間は有りませんよ。」
「分かったにゃ、どうすればいいにゃ?」
「まず、別れている、あなたの力を一つに融合するのです。」
「別れている力?」
「ブリットとコニャコです。元々、二人ともあなたの魔力が溢れて固まったようなものです。それを元の一つにするのです。そうすれば、あなたの本当の力が使えるはずです。」
「でも、そんなこと出来ないにゃ!やり方も分からないし。」
「それは、今、コニャコの中の私が行いますからあなたは、ブリットとコニャコに触れてくれれば良いのです。」
「御主人様、やりましょう。元々、私はあなたの魔力から生まれた身。喜んでこの身を捧げましょう。」
「いや、この身を捧げるとか言われると出来にゃいから…。」
「いえ、一時的にですから心配はいりません。さあ!」
コニャコフェリシアは、有無を言わさず、俺とブリットに触れると叫んだ。
「融合合体!」
俺達は、まばゆい光に包まれた。
シュワッチ!
光の中に立っていたのは光輝く金色の長い髪に猫耳、金色の鎧をまとい腰に武御雷を下げた8頭身のにゃんこ女神が立っていた。
「お前はフェリシア!なぜ、お前が?」
アメイシアは、焦りの表情で叫んだ。
「女神フェリシアじゃないにゃ、俺は来人にゃって、何にゃこの姿は?」
『来人、聞こえますか?』
「聞こえるにゃ?」
『私が融合の切っ掛けとなっていますので私の姿がメインイメージとなったようですね。』
「あんた、本当に女神だったのにゃ。」
『信じてなかったのですか?』
「いや、まあ、それは置いといて、後は、どうするにゃ?」
『アメイシアのどこでも良いですから、身体に触れてくれれば、そこから私が理沙の身体に飛び込みます。』
「分かったにゃ!」




