第181話 神降ろしの儀式にゃ
エリスは、混乱していた。
突然、コニャコが自分は、フェリシアだと言い出し、儀式で復活するのはフェリシアでは無くアメイシアだと告げたのである。
「まあ、復活するのがフェリシアだろうがアメイシアだろうが私は、理沙を助けるだけよ。」
「とにかく、月の光が祭壇を照らす前に理沙を祭壇から降ろすのよ。」
コニャコフェリシアが焦った声で訴える。
「ここは、出し惜しみしている場合じゃ無いみたいね。出番よ、親友!融合召喚、来たれ銀色の戦乙女!」
ドーン!
そこに現れたのは、お馴染み身長2メートル銀色の超重装甲の騎士であった。
「白銀の戦乙女、重装甲バルキリー!」
「誰だ!」
シトロンがエリスの召喚の魔力に気付いて振り返った。
「喰らえ、キャストオフ!」
鎧の弾丸がグミライトライムとシトロンを襲う。
「氷盾!」
ガガガ、ガンッ!
シトロンが出現させた氷の盾がエリスの鎧の弾丸を防いだ。
「防がれた!でも、狙いは、こっちよ!」
エリスは、鎧の弾丸を目隠しにして、一気に祭壇に駆け寄った。
「甘い、猛吹雪!」
シトロンの強烈な氷魔法の一撃がエリスに放たれた。
「くっ!」
あと少しで理沙に手が届くというところでエリスは、シトロンの攻撃を避けて後ろに飛び退いた。
「その声は、エリスか、小さな身体で上級クラスだっただけはあるね。」
「シトロン。理沙は、クラスの仲間でしょ!」
「理沙には、悪いが俺にとってこの儀式を成功させることの方が重要なんだよ。」
「シトロン、あんたって人は!」
「氷壁!」」
シトロンが祭壇とエリスとの間に巨大な氷の壁を出現させた。
「こんな壁!」
エリスは、氷の壁に剣を振るったが傷一つついていない。
既に月の光が理沙の腹の辺りまで来ていた。
コニャコフェリシアは、一心に祈りを捧げているグミライトライムに訴えた。
「聞いてく下さい。あなたが神降ろしを行おうとしているのは、フェリシアではありません。邪神と呼ばれる闇の女神アメイシアなのです。」
「騙されては、いけない。その猫こそ、あなたを惑わせる邪神の使徒に違いありません。」
「シトロン、分かっています。邪神が私を騙そうとしても無駄です。私は、亡くなった父様の代わりに民を幸せにする責任があるのです。そのためにも女神フェリシア様を復活させなければならないのです。」
グミライトライムは、コニャコフェリシアに魔法の光弾を放った。
バシッ!
至近距離からの魔法の光弾をコニャコフェリシアは避けきれずにまともに受けた。
「コニャコ!」
俺達が、儀式の間にたどり着いたのは、丁度、その瞬間だった。