第178話 理沙を助けるにゃ
「話ってなんですか、オルソンさん?」
オルソンは、メフトを他のメンバーから離れた場所に呼び出していた。
「なあ、メフト、お前、どうやってここまで来たんだ?」
「歩いてですよ。急いで皆の後を追ってやっと着いたんです。なぜ、そんなことを。」
「早すぎるんだよ。俺達も疾風の魔法を使ってやっとついたばかりなんだ。お前、俺達にどうやって追い付いたんだ。」
「あー、オルソン、あんた見た目を以上にうっとうしいね。」
メフトの態度が突然変さてとわった。
「メフト、お前?」
「俺がどうとかより、理沙を助ける事が重要なんじゃない?」
「メフト、お前、何者なんだ?」
「あんた達、何やってんの出発するよ!」
そこにメイヤが声を掛けてきた。
「メイヤ、聞いてくれ。」
「何、オルソン?」
メフトの目が一瞬、妖しく光った。
「いや、何でもない。出発だったな、メフト行こうか。あれ、俺、何をメフトと話してたかな?!」
「何、言っているんですか。しっかりして下さいよ、オルソンさん。」
オルソンの持った疑問は、きれいに消し去られていた。
日は暮れ、山影からきれいな満月が昇ろうとしていた。
俺達は、コスロの蜃気楼で姿を消して神殿に入る機会をうかがっていた。
神殿は、高い位置にしか窓はなくその全てに鉄格子が付けられており、全員が中に侵入するには、扉が開いた時にどさくさに紛れて一緒に入ってしまうことにしたのだ。
ガチャリ!
その時、扉が開いて顔を出したのは、キノットだった。
「皆、作戦変更にゃ。キノットを捕まえる。」
俺は、素早く皆にささやいた。
キノットは、あまり周囲に注意を払うことなく外に出ると扉を閉めると市場に向かって歩き出した。
その後を姿を消して俺達がゾロゾロと追って行った。
通りの角を曲がり神殿からキノットの姿が見えなくなったのをみはからって、コスロがキノットに蜃気楼をかけた。
「えっ!」
俺達は、キノットを俺達に縛り担ぎ上げていた。
俺達は、人気の無い路地裏でキノットの蜃気楼を解除して取り囲んだ。
「あんた達、何者よ?私をどうするつもり。」
キノットからは、俺達の姿が見えていない。
「キノット!理沙をどうしたにゃ?」
「その声は、来人ね。理沙のことなんて知らないわわよ。知ってても言わないわ。」
「と言うことは、知っているんだな!」
「やばっ!でも、言わないよ。」
「言わぬなら言わせて見せよう何とやらにゃ。」
バリバリバリバリ!
キャー!
俺は、軽めに電撃をキノットに放った。
キノットの髪の毛がアフロヘアーになった。
「次は、もっと強くパンチパーマにしてやるにゃ!しても、」
「パンチは、絶対に嫌、言うわよ!理沙は神殿の最上階、儀式の間にいるわ。」
「儀式って何のにゃ?」
「神降ろしの儀式よ。女神フェリシアを理沙の身体を依代にして復活させるの。」
「何だって、そんなことは、させないにゃ!」