第177話 理沙はどこだにゃ
ダブリンドアのかけてくれた疾風の魔法で俺達は、飛ぶ鳥の様に素早くいどうしてフェリシア軍よりも早くフェリシアの王都にたどり着いていた。
俺達は、オスロの蜃気楼と言う空気を屈折させ姿を変えて見せる風魔法で別の姿に変装していた。
街に入ると直ぐに俺達は、町外れにあった廃屋を拠点にすることにした。
俺達は、変装していても目立つ、エリス、ロン、ミックの3人を残し、情報を集めるために聞き込みをしてまわることにした。
数時間後、町外れの廃屋に俺とブリットが戻ると、既にオルソンとソーマが戻っていた。
「オルソン、何か情報は、あったにゃ?」
「皆、口が固いよ。あれだけの人数の兵が動いてマジリアへの侵攻のことさえ、誰も知らないってさ。」か
「メイヤとオスロはまだにゃ?」
「まだ、戻って無い。」
「俺達は、ここにいるよ。」
俺達の前の空間が歪みメイヤとオスロが姿を現した。
蜃気楼の応用だ。
「驚くから、姿を消して近づくなよ。」
ソーマが文句を言うがオスロは、いつものことと平気な顔をしている。
「それより、珍しい奴がいたから連れてきた。」
メイヤの後ろから、姿を現したのはメフトだった。
「お前、遊びじゃないんだぞ!」
オルソンが怒鳴り付ける。
「ごめん、俺も理沙を助け出す手伝いがしたいんだ。」
「街の中をうろついていたから連れて来たわけ。放って置くわけには、いかないしね。」
「でも、シトロン達らしい馬車がフェリシアの神殿に入った聞いたよ。」
「誰から聞いたんだよ。」
「空き地にいた子供だよ。」
「そうか、子供までは、口止め出来ないからな。」
「メフト、お手柄にゃ!てっきり王宮に連れて行かれたと思ってたにゃ。」
その時、外から甲冑と剣の当たる音がした。
「中にいる者に告げるお前達は、完全に包囲されている。大人しく出てこい。」
「そんな、つけられたのか?」
「完全に包囲されてるわ!」
メイヤとオスロが動揺して声をあげる。
「メイヤ、大丈夫だ。俺に任せておけ。」
ソーマは、自信満々で言うと廃屋の床板を持ち上げた。
そこには、いつの間にか抜け穴が掘られていた。
「ゴーレム造りの応用さ、俺の土魔法にかかれば簡単なものさ。」
顔に似合わず以外と出来る男ソーマであった。
「さあ、突入される前にずらかろうぜ!」
抜け道の中は、人一人がたって歩けるほどの広さが有り、出たのは、丁度、廃屋を見下ろせる小高い丘の上だった。
俺達が丘の上から見下ろすと兵が廃屋の中を探し回っているのが見えた。
「穴は埋めてしまったから分かるはずは無いさ。」
「見て、フェリシアの神殿が見えるよ。」
エリスが叫んだ。
フェリシアの王宮の隣接するように西洋の大聖堂のような建物が見える。
「あそこに理沙がいるのにゃ!」