第165話 基礎魔法のクラスにゃ
俺は、ダブリンドアの勧めで魔法大学に入学することとなった。
俺の使っている魔法自体、得体の知れない魔法書で身につけたものだし、魔法の基本も知らずに適当にやっているものだった。
ダブリンドアの言うことには、基本を学べば、更に強力になるとのことだった。
今後の黒龍や黒龍王アスラとの戦いを考えると少しでも強い力はあったにこしたことはない。
「来人とブリットは、まず基本から学んでもらいましょう。エリスは、もう少し、上のクラスで力を付けるといいわね。」
俺とブリットは、大学の基礎魔法コースのクラスに入ることとなった。
「ここがあなた達2人が入るクラスの教室です。」
俺達は、ダブリンドアの案内で教室に到着し、後ろのドアを開け中に入った。
「あれ、理沙がいないにゃ。」
教室の中に理沙の姿は無かった。
「理沙は、上級者のクラスですよ。」
俺は、基礎コースということで理沙と同じクラスと勝手に思っていたのだ。
「そうにゃか。」
「あの子は、魔法の素質が非常に高いので直ぐに基礎魔法のコースから上級者のクラスに変わったのです。あなた達2人も魔力は、素晴らしく大きいので勉強しだいで直ぐに上級者のクラスに行けますよ。」
教室では、講義が行われており、教壇に立つ深緑のショートヘアの若い女性教師と来人と学生が6人の学生がいた。
「マリア先生。」
ダブリンドアがに若い女性教師に声を掛けた。
マリア先生と呼ばれた若い女性教師は、俺達に気付き講義を中断した。
「ダブリンドア学長、その方達が、来人さんとブリットさんですね。」
「そうです。来人に、ブリットです。2人とも魔力は非常に高いのですが魔法についての知識はほとんどありませんのでよろしくお願いします。」
「来人さん、ブリットさん。マリアです。よろしくね。」
「来人、よく来たな。」
声を掛けてきたのはお洒落りすのミックだった。
「ミックもこのクラスだったのにゃ。」
「俺もいるぜ。」
ミックの横には、オレンジぐまロンが座っていた。
2人共、理沙と共にこの魔法大学で魔法を学んでいたのだ。
「ねえ、ねえ、ミック。そのイケメン達、知り合いなの。」
ミックの横に座っていたオレンジ色の髪の小柄な女の子がミックにささやいた。
「ベルガモット、やめなさいよ。」
「いいじゃない、キノット。」
「はいはい、分かりました。ベルガモットさん、まずは、お互い自己紹介をしましょう。それじゃ、来人さんからお願いね。」
「俺からにゃ。俺は、にゃんこ騎士の来人にゃ。見てのとおり、にゃんこだけど、本当は人間にゃ。」
「私は、ブリット。御主人様来人様の家来です。」
「来人さんは、異界の方と言うことです。ブリットさんは、ミックさんとロンさんと同じ魔物になります。仲良くして下さいね。」
「じゃあ、私から自己紹介するね。私は、ベルガモット。このマジリア出身の17歳でーす。」
「私は、キノット。ベルガモットとは双子なの。よろしく。」
ベルガモットの隣に座っていた空色の長い髪をした女の子が立ち上がると頭を下げた。
「俺は、ラディッシュだ。俺は、魔法騎士を目指している。」
一番後ろの席の背の高いがっしりとした少年が手を上げた。
「おいらは、メフト。来人は、世界を旅してきたんだろ。今度、その時の話をしてくれよ。」
黒い髪の小柄な少年が明るく言った。
俺には、教室や友達って雰囲気が非常に懐かしく感じられた。