第159話 武御雷の本当の力にゃ
『うーん、この感じ、最高!』
武御雷は、久しぶりのパワー全開の感じに興奮していた。
「武御雷、これが本当のお前の力にゃんだな!」
『来人、気が付いたよつだな。そうともこれが本当の俺っちさ!』
「ニャーン!」
俺の頭の上で猫の鳴き声がした。
俺の頭の上にミックと一緒に子猫が乗っていた。
「ニャーンって、何だ、このこにゃこは?」
「コニャコ?」
『雷獣にゃんこが分離したみたいだな。』
子猫は、可愛らしく首をかしげた。
「来人、目玉が襲ってくるぞ!」
その時、ミックが叫んだ。
「訳は、分からないが、元に戻ろうが先程のかりは返させてもらうだけだ。」
バックベアード卿は、再び破壊光線を放ってきた。
ヒュン!
俺が軽く振った剣がバックベアード卿の放った破壊光線を切り裂いた。
「もうお前の力は、効かないのにゃ!」
「効カナイニャ!」
「何だと、舐めた口をきいて、この俺がこの程度だと思うなよ!」
バックベアード卿の目玉から黒い煙が触手の様に伸び、周囲にいた兵達に絡み付きその身体に取り込んでいく。
兵達は、全く抵抗することなく、自ら進んで黒い煙の触手取り込まれていった。
バックベアードア卿の目玉の大きさは、既に通路一杯に広がる程、巨大になっていた。
「これだけ、大きくなったパワーは、今までの比ではないぞ。この狭い通路では、避けることも出来ないぞ!」
「だから、こんな狭いそこまででかくなったら動けないのにゃ!」
俺は、一瞬で間合いを詰めバックベアード卿の目の前には立っていた。
プスリ!
俺は、武御雷をバックベアード卿の目玉の中心に突き刺した。
「ぎゃー!」
バラバラとバックベアード卿が取り込んだ兵達が分離され転がっていく。
俺の剣は、取り込まれた兵達を避けて正確にバックベアード卿をつらぬいたのだ。
「剣を、剣を抜いてくれ…。」
バリッ!
武御雷が発光し、バックベアード卿を光が切り裂いた。
「ギャー!」
ボワン!
悲鳴と共にバックベアード卿は、消えた。
「やった来人!」
兵達が次々に正気を取り戻していく。
「後は、ダビュロスにゃ!」
通路を隅をビー玉位の目玉が隠れるようにその場から離れようと転がっていた。
「危ないところだった!」
しぶとく生き残っていたバックベアード卿であった。
「ニャア?」
ペシッ!
そのバックベアード卿を前足で押さえたのは、元雷獣にゃんこのコニャコだった。
「は、離せ!」
「ニャ?」
パクッ!
バックベアード卿の最後だった。