第154話 洗脳されてるにゃ
「でもダビュロスがクーデターってのが不思議なのよ。あいつ気が弱いし、騎士達がマリーダ女王を裏切ってあいつに従うほどのカリスマは無いのよね。」
「ダブリンドア、私もそう思いますわ。ダビュロスは人気が無いのよ。見た目もああだしね。」
「何か裏が有るってことだにゃ。」
そこに学生の1人が駆け込んできた。
「ダブリンドア学長!ちょっと来てください。先ほど捕まえた騎士の様子がおかしいんです。」
俺達は、学生の案内で騎士の元に駆けつけた。
俺達は、先ほどの戦いでロンに押しつぶされて気を失っていた8人の騎士を捕虜として捕まえていた。
すでに8人の騎士は、目覚めていたが全員が焦点の定まらない目をして座り込んでおり、明らかに正気では無かった。
「何らかの手段による洗脳って考えるのが妥当ね。」
ダブリンドアが呟いた。
「頭に衝撃を与えれば、良いんじゃにゃいか?」
「いや、気を失うほどの衝撃を受けても解けないのだから……」
バリバリバリ!
俺は雷神ニャンコの電撃を騎士達に浴びせていた。
「こら!来人、聞いていたのか、衝撃では意味がないと。」
プスプス…
騎士達の頭はアフロ頭の様になり、皆、煙を上げている。
「うわっ、止めろー!」
騎士の中の1人が叫び、暴れだした。
「成功にゃ!」
俺達は、暴れる騎士を取り押さえ、ダブリンドアが騎士に声を掛けた。
「大丈夫だ、もう何もしません。意識が戻ったのですか。」
「ダ、ダブリンドア学長、ここは、どこです?」
「ここは魔法大学です。一体、何があったのですか?」
「ダビュロス局長が目玉の化物を連れて現れて怪物の目が光った。後は覚えていない。」
そこまで言うと再び騎士は焦点の定まらない虚ろな表情に戻って黙り込んでしまった。
「どうやら、電撃のショックで一時的に正気に戻っただけの様ですね。」
「その目玉の化物ってやつをやっつければいいんじゃにゃいか?」
「そうですね。ただ倒しても洗脳が解けるとはかぎりませんからダビュロスに聞きましょう。」
「俺が王宮に忍び込んでダビュロスから聞き出してくるにゃ。」
「それじゃあ、俺が一緒に行こう。身体の小さい俺なら忍び込むのに丁度いいだろ。」
ミックが俺の頭に飛び乗り言った。
「そいつは助かるにゃ。よろしく頼むにゃ、ミック。」
「頼むわよ、来人、ミック!」
「2人共、気をつけてね。」
「任しとくにゃ!」
こうして俺とミックで王宮に侵入することになった。