第152話 再会にゃ
敗走するダビュロスの一団は俺には目もくれず王宮に向かって逃げて行った。
俺と魔法大学の間に巨大ロボットの様な熊と黒のロングコートの粋な格好のリスが立ち塞がっていた。
「何だ、お前もダビュロスの仲間か!」
巨大ロボット熊はそう言うといきなり俺を踏みつけきた。
寸前で交わした俺に足元から蔦が絡み付いてくる。
「にゃんだ、この草!」
すかさず、ファイヤーにゃんこになり蔦を焼ききった。
「こいつ、中々やるぞ、ロン!」
「ほう、ロンとミックの連携攻撃をかわしている奴がいるよ。変わった格好の猫かね?」
ダブリンドアは俺とロン、ミックの攻防を見て感心して呟いた。
「猫ですか?」
理沙は窓から様子を伺った。
そこには、見たことのある、騎士の格好の猫がいた。
「あれは、にゃんこ騎士?それじゃあ、もしかして…!」
理沙は窓から身を乗り出して叫んだ。
「来人ー!」
随分懐かしい声に声のする方を見た俺は魔法大学の建物の窓に幼馴染みの理沙の姿を見つけた。
「理沙!にゃでここに?」
「来人!」
理沙はいきなり窓枠に足を掛けると飛び降りた。
「危ないにゃ!」
俺は慌てて理沙が落ちてくるであろう場所
に駆け込み理沙を受け止めようと頭から飛び込んだ。
「にゃ?」
何時までたっても理沙が落ちてくる気配の無いことに俺は上を見上げた。
俺が見上げるとそこには、ゴスロリ風の衣装に魔法少女が使うようなステッキ、背中には黒い羽を生やした少女がゆっくりと降下していた。
「きゃっ、見るな!」
俺が見上げると同時にスカートを押さえた理沙はバランスを崩して俺の上に落ちてきた。
ドスン!
「みぎゃ!」
「ごめん、来人。大丈夫?」
「大丈夫にゃ。」
俺が起き上がると理沙は俺に抱きついできた。
「来人、心配したんだよ!」
「おにゃ!り、理沙も無事で良かったにゃ!」
「にゃ、って、このき着ぐるみ脱ぎなさいよ!」
ガシッ、ぐいっ!
理沙は、いきなり俺の頭を掴むと引き抜こうとした。
「痛、痛、痛いにゃ!」
「抜けない、何で?」
「抜けなるはずにゃいにゃ、着ぐるみじゃにゃく生の頭にゃ!」
「うそー!来人、にゃんこ騎士になってる!」
「その通りにゃ、エヘン!」
「そこは威張るところじゃ無い!」
「まあ、そのうち元に戻るにゃ!」
「来人、たくましくなったわね。」
「あの、感動の再会は、いいんだが俺達のことを忘れてないか!」
振り返るとロンとミック、そして、ダブリンドア、さらにマリーダ女王、エリス、ブリットが並んで俺達をあきれた顔で眺めていた。
止めにエリスが呟いた。
「お熱いことで。」