第151話 ロンとミックにゃ
ダビュロス勢は騎士を全面に魔法大学正門に突撃を開始した。
「一気に突破してダブリンドアを捕まえろ!」
騎士の目にバリケードの前に立ちふさがる二つの影は全く映っていなった。
オレンジ熊のロンとお洒落リスのミックである。
「おやおや、ロン。俺達の存在は無視だよ。」
「それじゃ、魔法大学で学んだ成果を見せてやろうじゃあないか!」
そう言うとミックはバリケードの上に立った。
ダダダダダダッ!
ミックの手元から機関銃の様に弾が打ち出された。
ガンガンガンガン!
ミックが打ち出した弾は鎧を着こんだ騎士を怯ませた。
「脅かせやがって、何だこれは?」
騎士の一人が足元に落ちていたミックが打ち込んだ弾をつまみ上げた。
「植物の種?」
ミックは植物の種を凄まじい勢いで指で弾いていたのだ。
「種は、種だがちょっと特別なのさ!」
騎士達の足元に散った無数の種から蔓が伸び騎士達の身体に絡み付き自由を奪ったのだ。
「た、助けてくれ!」
騎士達が悲鳴をあげる。
「ロン、後はよろしく!」
「任せておきなって!」
ロンはゆったりと騎士達の方に歩みよって行く。
ロンが一歩!足を進める度に身体がムクムクと大きくなっていく。
騎士達の前に立ったのは全長20メートルのぬいぐるみの様にかわいい巨大なオレンジ熊だった。
「ひー、助けてくれー!」
蔦に絡まって動けない騎士達は情けなく悲鳴をあげた。
「ジャーンプ!」
ロンはジャンプして巨体を宙に舞わせた。
ドスン!
ロンはそのまま動けない騎士達の上にダイブした。
「ギャー!」
ロンに潰された騎士達は悲鳴をあげて気絶した。
「殺すなって言われているからな!」
そう言いながらもロンは残った騎士を落ちている石を蹴るように無造作に蹴散らしていく。
「何をしている魔法使い部隊は、騎士達を援護しろ!」
ダビュロスが泡をくって叫んだ。
「魔法隊、目標前方巨大な熊、火弾打ち方用意、打てー!」
ボボボボッ!
30人の魔法使いが発射した30発の火弾がロンに向かって飛んでくる。
ドドドドン!
次々に火弾がロンに命中する。
「全弾命中!」
「やったか!」
火弾の煙が晴れた後には全身を鋼鉄化させた巨大ロボットの様なロンが立っていた。
ズズーン!
巨大ロボットロンがゆっくりと歩き前進を始める。
「撤退、撤退だ!くそ、魔法騎士隊の連中を連れてくるんだった。」
ダビュロスの命令で騎士達と魔法使いが一気に逃げ出した。
ポーン!
その集団を飛び越え、ロンの前に降り立ったのは、にゃんこ騎士来人であった。
「あれ、どうにゃっているんにゃ?」