第150話 ダブリンドア学長にゃ
魔法大学の前の大通りにはダビュロスの兵の騎士が70人、魔法使い30人が陣形を組んでいた。
魔法大学の正門には椅子や机が積み上げられバリケードが築かれている。
「我々が攻めて来ることを察知していたようだな。ダブリンドア学長に告ぐ、王宮は、既に我々のて手に落ちた。大人しく、降参しろ!」
ダビュロスが門の外から大学校舎に向かって叫んだ。
ピチャッ!
空から降ってきた何かがダビュロスの頭に落ちた。
「何だ、雨か?」
ダビュロスが頭を拭って見ると手に白いものが付いていた。
「こ、これは!」
空を見上げると一羽のカラスがダビュロスの頭上を飛んでいた。
「アホー、ダビュロスのアホー!」
カラスは大学の方に飛んで行くと空いた窓に飛び込み、派手なミニスカートのドレスを着たとしたグラマラスな女性の肩にとまった。
「お前は、ダブリンドア!」
ダビュロスが顔を真っ赤にして叫んだ。
「ダビュロス、あんた自分が何をしているのか解ってるのかい!」
「解るも何も天然の女王と年齢不詳の魔法使いの婆さんを排除して、私がこの国のトップになるんですよ。」
「ダビュロス、あんた私のことを婆さんって言ったのかい?」
「ひっ!」
30年前、ダビュロスは魔法大学の学生であった。
その時、既にダブリンドアは今と変わらぬ若い姿で魔法大学の学長であった。
ダビュロスはその頃からダブリンドアが苦手であったのだ。
「もう、降服勧告等必要ない。ダブリンドアを捕まえろ!手向かう者は、容赦するな!」
ダビュロスの命令で兵士達は、前進を始めた。
「あの、臆病者のダビュロスがクーデターとは何か裏が有りそうね。」
「あのう、ダブリンドア学長、攻めて来ましたが大丈夫でしょうか?」
「心配するな!正門にはロンとミックに任せておけば大丈夫だろう。そこで腰を痛めて動けないマーシャルの爺よりずっと頼りになる。」
「誰が爺だ、あいたたたっ!」
「マーシャルさん大丈夫ですか?」
「ふん、ダブリンドアの婆さんと違って理沙ちゃんは優しいのう。」
「誰が婆さんだ!外に放り出すぞ!」
「は、見た目は若くとも200も生きとったら婆さんじゃわい!」
「お前も人のことは言えんであろう!」
「わしの方が10は、若いわ!」
ダブリンドア学長と一緒にいたのはベージュのローブを着た理沙と見た目は若いマーシャルじいさんであった。