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第149話 城壁を越えるにゃ

 俺はブリット達が王宮の壁を越えたのを確認して走り出した。

 考えてみるとこうして一人きりになるのはこの世界に来た時以来かも知れない。

「あそこにいるぞ、捕まえろ!」

 四方八方から足音や声が迫ってくる。

「囲まれたにゃ!」

 俺はこの絶体絶命の状態を楽しんでいた。

 俺の走って行く先の王宮の門の前には既に10人程の騎士が剣を抜いて待ち構えていた。

「魔法国って言うから魔法使いばかりと思っていたけど騎士も多いにゃ。」

「多少痛め付けてもいいから、捕まえろ!」

 かぶとに角の飾りを付けた騎士が叫んだ。

「角付き、あんたが指揮官にゃ?」

 俺は角付きかぶと騎士に声を掛けると一気に間合いを詰めた。

「うわっ!」

 角付きかぶとの騎士は後ろに後ずさった。

キィン!

 騎士のかぶとの角が宙を舞う。

ドスン!

 かぶとの角を切り落とされた騎士は勢い良く尻餅をついた。

トンッ!

 俺は尻餅をついた騎士の頭を踏みつけ囲みの外に飛び出した。

「追え、逃がすな!」

 尻餅をついた騎士が真っ赤な顔をして叫んだ。

 俺は真っ直ぐ門に向かって走る。

「門は閉まっている、逃げ場は無いぞ。」

 騎士の嘲りの声を聞き流し、俺は門を駆け登った。

 小さな凹凸に爪や足を器用に掛け、一気に駆け登ると城壁を乗り越え、外側に飛び降りた。

オオーッ!

 騎士の中に思わず感嘆の声が漏れる。

「お前等、何を感心している、さっさと門を開けて追いかけろ!」

 俺は真っ直ぐ大通りを魔法大学に向けて突っ走った。

 俺の真横を並走するようにマリーダ女王を抱き抱えたブリットが飛んでいる。

 エリスはと言うと横着してブリットの髪の毛にしがみついている。

「このまま行きますとダビュロスの一団に追い付きますがどうします?」

「ブリット、お前は迂回して裏からマリーダ女王を魔法大学に連れて行くにゃ。」

「分かりました。御主人様マイマスターは、どうなさるんですか?」

「俺は、ダビュロスの奴をちょっと脅かしてやるにゃ!」

「あのう、兵には怪我をさせないで下さい。」

「女王を裏切った連中にゃよ?」

「兵達は悪くないのです。ダビュロスに騙されているに決まっています。」

「そうマリーダ女王が言うのなら何とかがんばってみるにゃ!」

「お願いします。」

「よし、ブリット行けにゃ!」

「了解!」

 ブリットは女王を抱え一気に上昇しダビュロスに気付かれない様に大きく迂回いしながら魔法大学へ向かって飛んで行った。

「それで、来人は、どうするのよ?」

「エリス、ブリットと一緒に行ったのじゃにゃいのか?」

「こっちの方が面白そうだもんね。」

「ハハハ、エリスらしいにゃ!作戦なんてにゃい、突っ込むだけにゃ!」

「来人らしいわね!」

「見えた、行くにゃ!」

 俺はエリスを頭に乗せダビュロスの一団に突っ込んで行った。

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