第137話 氷対炎にゃ
流星月詠モードでジクスを倒した修一はフドウに再度、挑んでいた。
「フドウ!今度は、さっきみたいにはいかないぞ!今のおれはクールに冴えているからな!」
「なるほど、さっきの様な腑抜けでは無さそうだ。しかし、この炎の化身である紅龍のフドウ、その程度の凍気では、薄皮一枚も凍らんぞ!」
フドウの身体が炎を纏い身体が一回り大きくなったように見えた。
「炎ごと凍らせてみせるさ!」
修一は拳からフドウに向けて凍気を放った。
ジュッ!
しかし、修一の凍気はフドウの炎に触れた瞬間にフドウの身体に届くことなく消えてしまった。
「くそ、やっぱり直接叩き込むしかないか。」
「次は、こちらの番だな。おらッ!」
ブン!
フドウの炎を纏った拳が降り下ろされる。
「ハッ、氷壁防御!」
ズズズズ…!
修一が両手を広げると巨大な氷の壁が出現した。
ジュウー!
フドウの拳は氷の壁を一撃で半分程の厚さまで溶かしてしまった。
「ほう、俺の一撃を耐えるか!ならば、もう一発!」
ブン!
ジュワー!
フドウの二発の拳で巨大な氷の壁は跡形もなく蒸発してしまった。
しかし、蒸発した氷が蒸気となり、立ち込めフドウの視界を奪っていた。
「なるほど、俺の視界を奪うのが狙いか!」
実のところ修一は、そこまで深く考えていなかったのだ。
事実、修一はフドウの位置を見失ってしまっていた。
「参ったな、格好付けてみたものの、半端なく強いや。このままじゃ、勝てない。どうしたもんかな?」
シュー!
気が付くと蒸気が更に熱せられていく。
「あ、熱っ!」
ゴー!
熱せられた蒸気は、上昇気流を作り上空へ消え去った。
「そこにいたのか!」
「やば、見つかった。」
バアーン!
その時、武闘台の来人とメロスが戦っているはずの方向から爆発音が響いた。
「な、何だ?」
音のした方を見るとパラパラと紙吹雪が巻き上がり、銀髪で白い学ランを着たフドウそっくりの男が立っていた。
『何と道化師メロスの正体はフドウの双子の弟、白龍ヴァイスだった。』
「フドウの弟だって?」