第135話 本気を出すにゃ
エリスの勝利により、武闘台での戦いは、来人対メロス、修一対フドウの二組となっていた。
来人とメロスの戦いは、戦いと呼ぶには、少し変わっていた。
メロスの動きは、戦いと言うより大道芸であった。
「食らうにゃ!」
俺は、雷光弾を連続して放った。
メロスは、俺の雷光弾をヒョイヒョイとタイミング良く受け止めた。そしてを数回お手玉すると俺に投げ返してきたのだ。
俺は、慌ててよけると叫んだ。
「にゃにー、雷光弾ってつかめるのにゃ!」
ニヤリ!
メロスは、黙ったまま笑うと大袈裟にお辞儀をした。
「何か、調子がくるうにゃ!」
俺は、メロスの芸のアシスタントみたいな状況におちいってしまっていた。
メロスは、俺の攻撃をパントマイムやジャグリングでおどけて受け流すのだ。
『にゃんこと道化師メロスの対戦は、他の緊迫した戦いと違ってコメディの様に楽しそうだ!』
いつの間にか、俺は、メロスのペースにはまってしまっていた。
そして、俺は、地味にじわじとダメージを受けていた。
メロスは、何処からか、ふうせんを取り出すと器用に犬を作りだした。
「にゃ、バルーンアートだにゃ?」
メロスがパチリと指を鳴らすとふうせんの犬が可愛く走り出した。
「何にゃ、にゃんこが犬を恐がると思ったにゃ!俺は、ふうせんの犬なんて怖くないにゃ!」
ドカーン!
「にゃー!」
ふうせんの犬が俺に触れたとたん爆発したのだ。
メロスは、黙ったまま笑うと大袈裟にお辞儀をした。
『にゃんこ、何、ふざけてやがる!真面目にやれ!」
「その声は、だれにゃ?」
『わ、忘れてやがったな、俺っちのこと!武御雷だ。』
「そう言えば、この剣、喋るんにゃ。」
俺の愛刀の武御雷は、伝説の剣で意思を持っていて、喋ることが出来た。
『お前、雷神化もしないで相手のことなめてかかってないか?』
「にゃ?」
『相手の姿だけでその強さを計ると痛い目にあうぞ!』
「なめるにゃって?」
『お前、あのメロスって奴がかなり強いってだよ!』
「そうは、見えにゃいけど…。」
『それがなめてるてこと、事実言いように遊ばれているわじゃないか、信じられないのなら、騙されたと思って全力でぶつかってみろ!』
「そこまで言うのなら、やってやるにゃ!」
ボッ、パリパリ!
「まずは、雷神にゃんこにゃ!」
ボッ、バリバリバリ!
「そして、雷神にゃんこ2にゃ!」
ゴー、バリバリバリ!
「これが俺の新たな力、雷炎神にゃんこにゃー!」
俺は、炎と雷をまとった新たな姿、雷炎神にゃんこになっていた。