第129話 クールに冴えてるにゃ
円柱にの立ち並ぶ武闘台は思いの外俺達の手助けとなっていた。
身軽な俺やブリット、そして忍のアリアはこの狭い足場も全く問題外であった。
そんな中で修一はフドウが気になりジクスに集中出来ないでいた。
「フドウの奴、余裕見せやがって!」
フドウは誰と対戦するわけでなく後方で腕組みをしている。
「フドウ様が気になりますか?残念ながらフドウ様は弱いものには興味無いですからね。それに今、戦いの相手をしているのは私なんですよ。」
ジクスの蹴りが修一の頬をかすめる。
「くそ、そんなこと分かっているさ!」
ジクスは巧みな話術で修一のフドウに対する対抗心を煽って戦いに集中させない無いようにしていた。
『おーっと、流石、頭脳派ジクスだ!赤と青の流星を翻弄している!このまま、一気に勝負を決めるのか!』
「修一!頭を冷やすにゃ!」
来人の言葉に修一は、我に返った。
「冷やす!そう、冷してやるよ!フドウで使うつもりのとっておきだったんだがな、見せてやるよ。流星月詠モード!」
修一のコスチュームの赤が銀色に変わっていく。
「姿を変えたところでどうなる。」
「それはどうかな!まあ見てみな。」
修一を中心に気温が下がっていく。
周囲の空気中がキラキラと輝く。
「何だ、これは?」
「ダイアモンドダスト。空気中の水分が凍りつき輝く現象を言うんだ。」
パキパキ!
修一の足元の柱も冷気により凍りついていく。
「それが何の役に立つと言うんだ!」
「周りに冷気が漏れるくらい俺の頭がクールに冴えて来たってことさ!」
「何を馬鹿なことを。」
そう言って足を踏み出そうとしたジクスは動けなかった。
「何だと!」
ジクスの足は足元の柱に凍りついていたのだ。
「クールに冴えてるって言っただろ!よくも言いたい放題言ってくれたな!」
「ちょっと、待て足が……」
「ごめんね、素直じゃなくて!月光氷結!」
パキャーン!
修一が放った拳から氷の結晶が降り注ぎジクスだけでなく溶岩の池も一気に凍りつかせた。
「クールに冴えてる!」
『おーっと、流星月詠モード、華麗にジクスを粉砕だ!』