第127話 残る3人にゃ
仲間に何の相談も無しにバトルロワイヤルを提案した俺だったが皆、それぞれの思惑で納得していた。
俺は基本的に後衛のエリスやアリアが単独で戦うとなると不利であると判断したからだ。
エリスとアリアは俺と同じ意見だろう。
ブリットと修一はもう一度戦えることを喜んでいた。
特に修一はフドウに一撃でやっつけてやると、名誉挽回の機会にヤル気満々である。
「しかし、溶岩の池ってのは、危なくない?」
アリアは溶岩に落ちた時のことを考えて心配している。
「そんなの心配無いにゃ!本物の溶岩じゃなく演出に決まってるにゃ!」
「そうそう、赤い照明にドライアイス、赤く染めた水ってことさ。」
修一がお気楽に俺に同意する。
「お言葉ですが御主人様、あれは本物の溶岩ですよ。」
よくよく見ると飛ばされてきた木の葉が溶岩まで落ちる前に燃え上がって消えている。
「うわ、本当にゃ、危ないにゃ!」
「落ちなければ良いのだ!怖じ気づいたか、にゃんこ?」
気が付くとフドウ達は既に武闘台の柱の上に待機している。
「怖じ気づいてなんて無いにゃ!」
俺はフドウの言葉に気を入れ替え勢いよく武闘台の柱の上に飛び乗った。
まぁ、落ちなきゃ良いのだ。
俺に続いてブリット、修一、アリアも柱に飛び乗った。
エリスは俺の頭の上だ。
『ここで武闘台に戦士が全員揃った!妖精剣の提案で何とバトルロワイヤルが始まります!漢組残る3人の戦士はー!』
ここで漢組のフドウとサイガ以外の3人が一斉に学ランを脱いだ。
『まずは、漢組の紅一点シャナだ!見た目に騙されるが破壊力抜群の全身凶器だ!』
シャナは腰までのばした髪を三つ編みにした小柄な若い女性で学ランの下は空手着風の着物を着ているだけだった。
武器や防具らしきものは身に付けていない。
『そして続くのは、漢組一の頭脳派ジクス。的確にえげつない攻撃をしてくるぞ!』
ジクスは細見の長身で長い前髪に目元が隠れて表情の分かりづらい男だ。
学ランの下はどうやって着ていたのか分からないが長いローブを着ており、身体を隠している。
『最後の一人は漢組の恐怖の道化師メロス。道化師なのにその攻撃は怖くて笑えないぞ!』
メロスはピエロのメイクアップをして派手な衣裳の正に道化師の格好であった。
恐怖の道化師と紹介されたがその動作はただのおどけたピエロであった。
ジャーン!
戦いの開始を告げるドラが鳴った。