第116話 嵐の後にゃ
俺は小さな部屋のベットの上で清々しく目覚めた。
身体中に力が溢れる確実に自分が強くなっていることが理解出来た。
チリン!
不意に鈴の音が聴こえる。
首を振って辺りを見回した。
チリン!
鈴は俺の首に掛けられた鎖に付いたいた。
「にゃんだこの鈴は?」
外そうとしたが鎖は頭より小さく取れない。
引っ張ってみたが鎖は頑丈で切れない。
そこにエリスが入ってきた。
「あ、来人、気が付いたみたいだよ!」
エリスは部屋の外に向かって叫んだ。
するとサラスと修一、アリア、ブリットがゾロゾロと部屋に入って来た。
「来人、気が付いて良かった。俺、心配したんだぞ!」
「本当に元に戻って良かったわ。」
俺には何のことだかさっぱり分からない。
「何をきょとんとしてるんだ。お前、覚えてないのか?」
「何のことにゃ?」
「お前、大猫になって暴れまくったんだぞ!」
「またまた、冗談きついにゃ!」
「本当に覚えてないのか?」
「凄い辛かったことは覚えているんだけどにゃ。それより、あの龍神水効いたにゃ!確実にパワーアップしたにゃ!」
「そうだろうな。」
「所でこの首の鎖はにゃんだ?取れないにゃ!」
「それは、私がお前の力の暴走を押さえるために付けたのだ。」
「取れにゃいんだけど?」
「当たり前だ、外して大猫になって暴走したら困る。大体、その鈴のネックレスは私がナーガ様から頂いたお気に入りだったのだぞ。」
「首に鈴だと更に猫みたいにゃ。」
「お前はにゃんこであろうが!」
「それはそうにゃんだのけど、うーん、まあ、いいにゃ!」
「いいのかよ!」
修一がツッコミを入れてきたが気にしないことにした。
「それより、にゃんこ。そのパワーアップしたと言う力を使ってしてもらいたいことがあるのだが。」
「にゃんでも大丈夫にゃ。力がみなぎってるにゃ!」
「そうか、それは、良かった。それでは、早速だか、お前が暴れてめちゃくちゃにした宴会場を片付けてもらおうか!」
「にゃ?」
俺は嵐が吹き荒れた様になった宴会場を見て唖然とした。
「これを片付けるのにゃ?」
「お前がやったんだ責任を持って片付けてもらおう。」
「それじゃあ、来人、頑張ってな!」
「うん、来人、頑張ってね。」
「じゃあね、来人!」
「御主人様、後程。」
そう言うと皆、俺を荒れ果てた宴会場に残して出て行った。
「皆、手伝ってくれにゃいのか?」
「力がみなぎっているのであろう。皆、お前を取り押さえるのにへとへとなのじゃ。自業自得と思って頑張ってくれ。」
そう言うとサラスが最後に宴会場を立ち去った。
「俺、何をしたらここまでめちゃくちゃになるんにゃー!」