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第107話 緑の龍マーリンにゃ

 林の中の道を進んでいくとギリシャ風の大きな石造りの神殿が現れた。

 入口に人気は無い。

 俺達は神殿の中へと進んだ。

 神殿の中は気味が悪い位に静まりかえっていた。

「ここが第1の試練の場にゃね。随分、静かだにゃ。」

「誰もいないのなら今度もちょいとクリアしちゃお!」

「エリスは本当に気楽ね。」

「ネガティブに心配するよりはましさ。」

御主人様マイマスター、誰か出てきましたよ。」

 神殿の奥から一人の緑の髪の美女が姿を現した。

 薄い緑色のロングドレスが彼女の長く真っ直ぐな髪を引き立てていた。

「私はマーリン。あなた達がナーガ様に会いに来たという者達ですね。しかし、少し騒々しいですよ。」

「すまないにゃ。」

「人なの?」

「私は人の姿をしていますが人ではありません。この神殿に住むにはこの姿が丁度良いのです。」

「マーリンさんも龍にゃのか?」

「そうです。」

 マーリンは微笑みながら答えた。

「それでは皆さん試練を受ける用意はできていますか?」

「何時でもいいにゃ!それで何をすればいいのにゃ?」

 マーリンは神殿の奥にある扉を指差しながら答えた。

「その扉の奥にある泉の水をこのグラスに汲んでくることです。」

「そんなことでいいのか?」

「修一、ただ汲んでくるだけのはずがないじゃない。」

「もちろん、中には危険な障害もあります。この試練は、仲間同士の協力が重要ですよ。」

「挑戦しますか?」

「もちろんにゃ!」

「それでは、扉の中へ進みなさい。」

 俺は、マーリンから、グラスを受け取ると扉を開いた。

 扉の中は真っ暗だった。

 俺の猫の目を使っても奥まで見通すことが出来ない。

 俺達が足を踏み入れた瞬間、辺りを強い光が包み込んだ。

 目を開けると俺達全員が扉を背に薄暗い洞窟の中に立っていた。

「さっきの光はなんだったにゃ?」

「来人、置いていくぞ!」

 皆は修一を先頭にどんどん洞窟の奥に進んでいっていた。

「ま、待つにゃ!でも何か変だにゃ。」

 俺は何か分からない違和感を感じていた。

 違和感の理由も分からないまま俺は皆の後を追って走り出した。

 洞窟は一本道で迷う心配は無かった。

 時折、蟻やムカデの様な魔物が現れたが対した強さではない雑魚であった。

「マーリンが危険とか言ってだけど、何か拍子抜けね。私一人でも十分だわ。」

「アリア、油断は禁物だにゃ。何か嫌な感じがするんだにゃ。」

 しかし、俺達は、大きな障害にあうこともなく泉のある部屋にたどり着いた。

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