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第106話 本当の試練にゃ

 アバランは石畳の下の一段低くなった草地に頭から突っ込んで倒れていた。

「よっしゃー!」

 修一は右腕を空に突きあげ声をあげた。

「フッハハハハッ!」

 その時、地面に頭から突っ込んでいたアバランが大きな笑い声をあげた。

 アバランはむくりと起き上がって石畳の上に登ってきた。

「まだ、やるっての?円から出したから私達の勝ちだよね!」

「元気の良い妖精だ。やるとは言っておらん。お前達の勝ちだ。通るが良い。」

 アバランは既に本気モードを解いて通常の龍の姿に戻っていた。

「やった!」

「やったにゃ!」

「修一やるじゃない!」

 俺達は互いにハイタッチをして素直に勝利を喜んだ。

「まぁ、俺の目的はお前達を倒すことじゃあ無い。山に登る試練を受ける資格があるか試すことだからな。」

「試練、今のが試練じゃあにゃいのか?」

「俺は資格が無い者が山に登るのをふるいにかけているだけだ。誰も彼も試練を受けさせていたら大変だからな。」

「えー、じゃあ、まだまだアバランみたいなのが出てくるの?」

 相変わらすエリスは相手を選ばずずけずけとものを言う。

「ハハハハッ、妖精のおちびさんは何もしていないのに口が達者だな。」

「私は秘密兵器だから危なくなったときにでるんだもん!」

「これから出てくるのは俺なんか足元にも及ばない強者つわものだよ。」

「げっ、アバランも強かったよ。」

「失敗して、ふりだしに戻されるのはここまでだからな。時には諦めることも必要もな判断だぞ。死んでしまったら終わりだからな。」

「心配しなくても大丈夫にゃ。そこまで熱血じゃ無いにゃ。」

「それならば先に進むが良い。この先に4つの神殿がある。それぞれ神殿を守護する者がいる。彼等がそれぞれ試練を出してくるだろう。それを乗り越えたらナーガに会える。」

「でもアバランはなんでそこまで教えてくれるの?」

 アリアの問いにアバランは、笑って答えた。

「お前達が気に入っただけさ。」

 俺達はいつの間にかアバランと打ち解けていた。

「それじゃ、これからが本番みたいだから皆、がんばるにゃ!」

 俺達はアバランと別れて石畳の道を更に山頂目指して進んだ。

 道は草原を抜けて林の中へと続いている。

 しばらく登った先で林の奥に最初の神殿が見えて来た。

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