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第104話 アバランと再戦にゃ

 一週間後、俺達はアリストン山を取り囲む壁の前に立っていた。

 俺は扉を開けようとノブに手をかけた。

「ここは引き戸だったにゃ!あれ、また開かないにゃ!」

 ヨーザは嬉しそうに笑いながらドアの下に手を差し込みガラガラと上に持ち上げた。

「今度は、上じゃ!」

「あらら!」

 入口でのコントを終えた俺達は再び石畳で出来た円状の広場でアバランに対峙していた。

「ふっ、一週間で戻って来るとは懲りない連中だな。」

「今度は前と違うぜ!」

 今度も修一が前に出る。

「また、お前からか。赤と青の流星シューティングスターだったな。前回と同じルールだ。俺を円の外に出せばお前達の勝ちだ。」

「それじゃあ、行くぞ!」

 前回と違い修一は、一気に間合いを詰めるとアバランの頭部を蹴りあげた。

ドカ!

 アバランは前回と全く違う修一のスピードに戸惑い一瞬、反応が遅れた。

 そこに修一の回し蹴りがアバランの延髄にまともに入ったのだ。

「ガフッ!」

 修一は体勢を崩したあアバランの尻尾を掴むと一気に空中に放り投げた。

ブン!

「いくら投げても私には通用しないぞ。」

 アバランは羽根を使い体勢を建て直しながら言い放った。

「それは分かってますよ。」

 アバランが振り返る前に空中で待機していたブリットはアバランを叩き落とした。

バキッ!

「ぐぁ!」

 アバランをは凄まじい勢いで地面に落下していく。

御主人様マイマスター頼みましたよ!」

 俺は落下地点でアバランを待ち構えていた。

「バイシクルシュートにゃ!」

ドカッ!

 俺は落下してきたアバランを円の外に向けて蹴り飛ばした。

「ぐぉぉっ!」

 アバランはそのまま円の外に出る様に思えた。

ガシ!

 だが残念なことに4本の足の爪を石畳みに突き立てギリギリで踏み止まったのである。

「あーっ、もうちょっとだったのに。」

 エリスが残念がって声をあげた。

「一週間でここまでの力を身につけたか!危なく円からの出るところだった!」

「やっ!」

 アリアがアバランのセリフの途中で背後から足払いをかけた。

ドシャッ!

 足を払われたアバランは見事に転倒した。

「まだセリフの途中!」

 起き上がったアバランはアリアに抗議した。

「ここまで、俺をこけにするとは!」

 アバランは怒りでワナワナと震えていた。

「皆、ここは俺一人で十分だ!」

 修一がアバランの相手を一人ですると言い出した。

「来人、いいんじゃない。」

「私も問題無いと思います。今の修一なら勝てない相手ではありませんよ。」

「それじゃあ、後は任せたにゃ!」

「随分俺をなめきった会話をしているじゃないか!」

「なめちゃいないよ。あんたは強いが俺がもっと強くなっただけさ。」

ぷっ、あっははは!

「やめてくれにゃ。修一、面白すぎるにゃ。」

「格好良いと思ったんだけどな……」

「たわ言は終わったかな。」

 アバランは怒りを通り越して呆れていた。

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