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第103話 普通じゃない素質にゃ

 その日の日が暮れるころに俺達は羽根を空中で制止させることが出来るようになっていた。

「ほう、全員出来るようになるとは予想外じゃったわい。」

 全員とはエリスも含めてのことである。

 実のところエリスが一番上手で羽根をつかんで自由自在に飛び回っている。

「ほっほっほっ妖精の子が一番上手じゃな。次は赤髪のお嬢ちゃんじゃ。後はギリギリ合格じゃな。」

「やった、これで石に穴を開けられるんだな!」

 修一が拳ほどの大きさの石を拾い上げた。

「これ、またんか!」

パキッ!

「痛えっ!」

 修一が指を押さえてうずくまる。

「待てと言うたじゃろ!指を魔力で覆わんとだめじゃ。」

 俺はヨーザの言う通り指に魔力を集中させて石をついてみた。

ズボッ!

「なるほど、魔力を自在に集中出来るにゃ!」

「なに!本当にできたのか!1日で出来るようになるとはな…。」

「マスターヨーザが1日でやれるようになれって言ったにゃ?」

「それは羽根のことじゃ。石に穴を開けられるようになるには優秀な者が修業して何年もかかるのじゃ。」

「まあ、俺達は普通じゃないからにゃ。」

ズボッ!

 修一とブリットが次々と石に穴を開けていく。

「何なんじゃ、お主らは!」

「穴、開かないよ。」

 アリアが石に穴を開けられずに膨れっ面をしている。

 ヨーザはアリアが穴を開けられずにいることに機嫌を良くした。

「見ろ、この子が普通なのじゃ!」

「何か納得出来なーい。私の方が羽根を上手く扱えるのに……」

「気にすることは無い。こいつらは魔力の量が普通じゃないのじゃよ。」

「でも石に穴が開けられるのと強くなれるのとどうつながるのにゃ?」

「簡単なことじゃ、魔力のコントロール出来れば一点に力を集中させることが出来る。四方八方に放出していた魔力を一点に集中するだけで攻撃力はかなり上がるぞ。これは防御や機動力も同じじゃ。」

「なるほどにゃ。」

「お主らの基礎的な魔力は決してアバランに劣っている訳ではない。むしろ上じゃ、様は使い方なのじゃよ。」

 それからの修業はお互いに実践的な組手で行われた。

 無意識で魔力を攻撃、防御に集中出来るようにである。

「後は、慣れと応用じゃよ。」

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