第2話
久々の投稿ですね。
評価、感想をよろしくお願いします。
まだ一つもないので非常に寂しいです orz
オレと加奈が教室に入った瞬間、ありえないことが起こった。
それまで普通だった生徒みんながまるでテレビの一時停止ボタンを押したかのように動かなくなってしまったのだ。
もちろん、加奈も例外ではない。
「どういう事だよ……」
一人呟いたところで誰の返事もないだろう……
しかし、違った。
「すみません。僕が止めたのです。」
後ろから声がしたのだ。
「あなたは……!」
振り向くとそこに立っていたのは今朝の夢にでてきたあの少年だった。
夢にでてきた時はぼんやりとして分かりずらかったが今目の前にいる彼は間違いなくそれだった。どこにでもいそうな服を着てはいるが、何となく近寄りがたい雰囲気を出している。
「……神風俊也さんですよね?」
「そうだけど……」
「そうですか!!やっと見つけた!私のことはわかりませんよね……」
彼は悲しそうに言った。
「すみません。」
「いいんです。しょうがない事なんですから……俊也君、あなたはその腕の印の意味を知っていますか?」
何故彼はこの事を知っているのだろう?
「知らないですけど……アザかなんかじゃないんですか?」
「いいえ。違います。その印は君の封印の印なのです。」
「封印?」
すると彼は悲しそうに語り始めた。
「それは今から……この世界では15年、私達の住む世界では3ヶ月前のことでした。ある二頭の竜が封印されたのです。不運な事故でした。その竜は別の種族に身体を変えられて、別世界に飛ばされたのです。」
オレは次に彼が言った事がとても信じられなかった。
「……その封印された竜があなたなのです。」
「……えっ?」
「ゆっくり話したいのですが……時間が無いのです。強引ですが……封印を解かせていただきます。」
えっ?!えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
『我、竜神に仕えし者、ラクス。我の名にかけて今封印を解こう。ギルド・フレイム』
彼がその言葉を言い終えたあと、オレはいつのまにか屋上にいて、腕の印は輝き、眩しさに思わず目を閉じてしまった。
次に目を開けた時には目の前には深い緑色の鱗に被われた竜が立っていた。
竜は、静かに言った。
「ご自分のお姿をご覧になって下さい。」
気がつくと目の前には大きな鏡があった。
それを覗くと、そこには銀色の竜が映っていた。その姿を見た瞬間オレの頭は金づちで叩かれたように激しく痛んだ。
苦痛の中ではあったが何か温かいものが自分の身体に入って来るのが分かった。
何故だかは分からないが懐かしい感じがして。不思議と痛さが和らいでいった。
そしてオレは神風俊也ではなくなった。いや、正しくは元に戻ることが出来た。竜族の長、ギルド・フレイムに。
「ラクス、ご苦労だった。ありがとう。」
「それでは……思い出されたのですね!ギルド様!」
「ああ。私はもう大丈夫だ。徐々に魔力も戻りつつある。まずは戻らなくてはな。私もこっちに随分長居をしてしまったからな。」
私は戻りつつある魔力を使ってここ人間界から自分の痕跡を消し、ラクスに言った。
「しかし、ラクス、まずはそなたの治癒が先だ。ここに来るのは大変だったろう。帰りは私と共に行こう。そなた、大分無理をしているな?身体が傷だらけだ。魔法で隠しても私には分かる。」
「ギルド様……」
そういうと気が楽になったのかラクスの魔法は解けて、ラクスはその場に倒れた。
「全く。ここまで無理をしてまで私を探しに来るとは……時間がないというのは自分の体力の限界だったのか。そなた、私がいなければ死んでいたぞ?」
そういいながら私はラクスの身体に治癒の魔法をかけた。
「そなたには休養が必要だ。今夜一晩、ゆっくり休みなさい。」
「ありがとうございます……」すぐにラクスは眠りに落ちていった。
ラクスを背に乗せ、私はゆっくりと屋上から飛び立った。