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しるし(詩集)

向上心

作者: さゆみ


潜り込んだ地下鉄からようやく這い出てくる

急かされるようにエスカレーターに導かれ

駅ビルへ向かう人波に交わる

大勢の中に紛れこむ一人はいっそう独り


大きな窓から覗く夜は直球ど真ん中

ストレートな暗闇にぽつぽつ光る街並み

灯かりは全部ぼやけて尾を靡いてまるで消えない花火


信じて裏切られて信じられなくて裏切って

くるりと振り向けば

助けられて救われて優しくて安堵する

人生なんてそんな事の繰り返し


みんな疲れているしみんな孤独だしみんな何かに飢えている

ちょっとした刺激が心を開かせてまた閉じ込めて

うれしくて悲しくて右往左往して立ち止まって歩き出して


惰性に身を委ねて暗闇で何も見えない明日へ

それでも私は向かってしまうのだから

意味なんてないけれど意味はあるのだろう


例えば探しものが見つかった時の喜びをまた知りたくなって

例えば誰かの落としものを見つけて拾って届けたくなって

今日も地下鉄から這い出てきて明日に向かうのだとしたら

まだ向上心は残っているのかもしれない






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― 新着の感想 ―
[一言] 拝読いたしました。 >大きな窓から覗く夜は直球ど真ん中 >ストレートな暗闇 この意味がよくわかりませんでした。 地下鉄は地面の下を走る列車です。 イコール闇とか暗いイメージ。 そして地…
2014/01/13 00:49 退会済み
管理
[一言] このような詩が書けたらと羨ましく思います。とても良く観察された言葉たちが素敵に心に伝わります。無意識な日常の中での心の様子が良く感じられます。
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