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cross A
鷹霧は今日2軒目の塾のまっさい中だった。こんな感じで、毎日2~3軒の塾をはしごするのが日課だった。
7:30に二次会は終わる。今は7:05分だ。ちくしょう、この約30分間が長いんだよ。ーそう思うのも日課の1つになっていた。
ぼんやりとベージュ色の壁をながめた。
三次会は8:30からで、それまでに3駅分の移動、そして夕食をとらなければいけなかった。木曜はフィレオ・フィッシュとジンジャーエールのセットと決めていた。
イヤフォンからはずっとアジカンがリズムを刻んでいる。
そして地下鉄は、レーザーガンのような音をたてながら、定時にきた。おまえも日課をこなす仲間だよ、とこっそり、しかしいつも彼にー地下鉄に愚痴をいった。アホじゃないかな、と思いながら。
座れるかな、と期待する。
そして鷹霧は、栄町行きの東豊線に乗った。
大通でおりるんだよな、といつものことを再確認した。
しかし鷹霧の日常は、ぐんにゃりと曲がることになった。たとえるなら、反比例のグラフのように。