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ひかりの声が聞こえる  作者: 平凡
日常とその応用
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歴史的快挙の

つばめは教室に入るやいなや後ろから「どーん!」という掛け声と共に思いきりどつかれた。

「ちょっ!痛ったぁ!!」

背中をさすりながら振り返るとそこには美少女、チッピーこと茅ヶちがさき みのりがにんまりとたたずんでいた。

「へへーん、ごめんごめん」

まったくこいつは。

チッピーは2年生の間でもなかなかの評判をもつ美少女で、あたしと違って成績優秀でもある。そしてなにより、あたしの親友だ。

「なにがごめん、よ!あんた反省なんかしてないじゃん!!」

「あたしが反省してショボくれてたら結局あんた謝ってくるじゃない」チッピーが「どうよ?」という顔で見てくる。ちっくしょうこの野郎!

「でもっ!!」

「でも?」あくびまでしている。私は漫画のような「ほわぁ」っていうカワイイあくびをこいつのでしか見たことがない。

「・・・っ!!」

「はい、あたしの勝ちー!」

一方的に勝ち逃げされた。これで彼女に打ち負かされ通算成績は26敗、26連敗である。ちなみに0勝。

チッピーが乱暴にカバンを机に置いた。まわりの子に「おはよー」と笑顔をふりまいていた。

彼女は女の私ですらたまに見とれるほどの美少女だった。なんだこれ。新手のイジメか。

ふと思う。負けの悔しさも混じっていたかもしれない。ただ単に興味本位かもしれない。

でもあたしはあの時思ったんだ。あたしと違う人の、しかも親友のアタマの中はどうなっているんだ?と。

デキゴゴロ、ってやつである。

がさごそと汚い鞄の中をあさって、ヘッドホンを引っ張り出す。だぁもう、教科書の下敷きになってるよ。

全日本教科書組合のバカヤローと思いながら一時間目の数学から順にカバンから抜いてゆく。なにやってんだあたし。


教科書連合軍を撃破したとホッとしたつばめの顔は歪んだ。

コードが知恵の輪よろしくこんがらがっている。

そうか、そこまで読心まれるのが嫌か。

だがしかし!その手にはのらんぞ!

あたかもチッピーが陰謀を仕掛けたっぽい設定でやっているが、黒幕はもちろん自分のテキトーさである。彼女は悪くない。


そしていよいよ感動のフィナーレ、というところ、つばめは廊下から視線を感じた。


鷹霧くんだった。




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