黒石家の庭は綺麗だろうか
黒石健斗にかかわってはいけない。そう思った。
黒石健斗はいつでも中2だというのに純白のブリーフで(男子が言うにはで、私は見てない)、すごくわかりやすいマザコンだ。そして何かつぶやいている。
その内容は、つい5秒前に覚えた言葉か、中2病的な技の名前だった。
・・・でも。・・・ 知ってる。黒石健斗が、確かに「きのうの『音楽基地』見たっ?!」って3年ぐらい前に言ってた。
どうしよう。このつぶやきが、突如として「お兄ちゃん」とかいいはじめたら泣いてしまいそうでふるえる。
俺は、北川は小3から人前では泣かなくなっていた。涙目で止まるし、涙目でとめる。のにもかかわらず、だ。
林がぼんやりと言う。
「黒石護が自殺未遂を仕掛けたのはこれで6・・・いや7回目なんだよね。でそれで治療費とかが結構やっぱりかかるらしいよ。」
鷹霧君はこうなっている現状を知っているだろうか。今はトイレに行っているが。
彼はトイレに行く寸前、
「じゃああなたを信じてみます。」
といってトイレに行った。
訳もなく、ヘアピンを手でもてあそんでいた。
店の奥にあるトイレから鷹霧がでてきた。
「じゃあ行こうか。」
林がレジへ向かった。なんとなく気まずくて、鷹霧の方を盗み見したら、目があった。