第5話 アベルの過去
....アベルは何かを考えていた。
それは、アベルがこの世界に来る前の事だった。
アベルの母「はい...はい....すみませんでした。」
アベルの母は受話器をそっと置いた。
アベルの母「アベル?学校からよ。みんな待っているって」
しかし、アベルの声は聞こえなかった。アベルは自分の部屋から出ようとしなかった。
アベルの母「...そうだ!今日の夕飯はクリームシチューにしましょう!アベルの大好物よ!母さんは買い物してくるから待っててね」
そう言うとアベルの母は家を出ていった。
アベル「....」
アベルは不登校は続き、気づけば3年。きっかけは誰一人として助けてはくれない、見てはくれない、聞いてくれないと感じたからだ。助けを呼んでもほったらかされ、悩みを打ち明けても相手は自分の方が辛いと言われるだけ。アベルの心は蝕まわれていき、やがて心は空っぽになった。
数時間たってもアベルの母は帰ってこなかった。アベルはそっと部屋を出て、外に出た。数十メートル進んだところで警察や救急車などがいた。野次馬も多かった。その奥にアベルの母はいた。頭から血が出ており、その近くには大破した母の車があった。交通事故だった。
病院でアベルの母の死が確認された。父親はおらず、母親1人だったアベル。葬儀が行われた後、親戚を名乗る人たちがアベルの家を訪れ、財産を持って行った。もちろん親戚など嘘だと分かっていたが、弁護士を連れており(そいつもグルだと分かっていた)、自分は子供。話したところで子供の戯言だと言われるだけだ。親戚は僕を置いて財産をすべて持って行った。
アベルは外を途方に歩いていた。すると前から、学校にいた同級生を見つけた。相手もアベルと目が合った。
同級生「君は誰?この街に引っ越してきたの?」
その言葉を聞いた瞬間、アベルは急いで立ち去った。アベルの母も嘘をついていた。僕が学校に行くように嘘の説得をしていた。結局、僕を助けてくれる人、聞いてくれる人、見てくれる人なんて存在しないんだ。僕は橋の上から川へと飛び降り、この世から姿を消した。目が覚めた時、見知らぬ洞窟があった。
続く




