表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/13

9話 じじい口調のロリはかわいい。

ここまで読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけたら嬉しいです。

柵もできた。スペースも確保した。

あとするのは捕獲だけ。

羊を捕まえに、いざ!!


と、三分前は思っていた。

家を出ようと思い扉を開けると突然、玄関の前が光りだした。


「いやー、こっちに降りてくるのは久しぶりじゃ。

ってうわぁぁぁ!!!!」


そこにいたのは、ネタバレをしてくる神様だった。

神様は目の前に俺がいるとは思わなかったのか、俺を見るなり悲鳴を上げた。


「人の顔見て悲鳴上げるとか失礼じゃないですか?」


「こんな目の前に降りるとは思わなかったんじゃ!あー吃驚した!」


「ところでなんの用ですか?俺、これからもふもふを捕まえに行くつもりだったんですけど」


「そんなことより、話したいことがあるんじゃ」


「俺、この後用事あって」


「そんなこと言っとる場合じゃないんじゃ!」


神様はそういって勝手に家に上がってきた。

家の中を見回すと、この間ラズさんに作ってもらった椅子に座った。


「お主も座れ。ほんとに大事に話なんじゃ」


ここはあなたの家じゃないんですけど。

そんなことを思いながら机を挟んで向かいの席に座った。

きょうはベッドの上で寝ていたが俺が移動したのに気付いて俺の横にちょこんと座った。


「それじゃ!そのモンスターの話をしに来たの!」


「え、きょうのことで来たんですか?」


「そうじゃ!私、こんなチートモンスター作った覚えない!」


「どう言うことですか」


話を聞いてみると、きょうはこの世界に存在するはずのない生き物らしい。


神様が作って忘れただけじゃないかと思ったが、自称全知全能でこの世界を作った神様が言うにはそんなことはないらしい。


「もしかしたら、お主に愛されスキルを渡したことでねじ曲がったのかもしれん」


「ねじ曲がった?」


「きょうが持っている力は明らかにこの世界にはない。

お主の世界のものじゃ」


確かに、この世界に来てから火薬を使ったものを見ていない。

それなのに、きょうの武器が銃なのはおかしいしそもそも、狼に銃がついている時点でおかしい。


「その子がいれば世界のバランスが崩れる」


神様が声を低くして言う。


「きょうをどうするつもりなんですか」


「そうじゃな。いなかったことにするのが確実じゃろうな」

「それは......!」


俺が立ち上がるときょうも座っている姿勢から立ち上がった。

銃を出すまではいかないが威嚇している声が聞こえた。


「まぁ、ちょっと座れ。」


「きょうはもう、大事な仲間ですよ。」


「わかっておる。お茶入れていいか?」


「いいですよ」


俺が座ると神様が立って椅子を引きずってキッチンまでもっていく。

神様は食器棚の前に椅子を置いて最近買ったばかりのティーカップを取り出した。


「勝手にお主にスキルを与えてバランスを壊したのはわしだ。

お主の仲間を奪うつもりはない。」


神様はお湯を沸かしながらため息をついた。

この世界の設備は魔法石で動いているものが多い。

うちのコンロも魔法石で動いていた。


「奪うつもりはないってじゃあどうするつもりなんですか」


「そうじゃな、どうするべきか」


コンロの火は俺がいつも使っているときより強い。

そのおかげで水はもう沸いていた。

神様はそのお湯と茶葉をポットに入れて机の上に置いた。


そして、椅子とカップを持って机まで戻ってきた。

椅子に座って俺をまっすぐ見た。


「そういうモンスターが生まれてしまったのはもう、仕方がない。

きょうはお主に任せる。」


「ここにずっと置いておいていいってことですか?」


「そうじゃ、だが一つ。

約束してほしいことがある。」


「なんですか」


「きょうとクエストに出てもいいが、あまり人に見せるな。

それが一つ。あと、ゴブリンとか狩りすぎるなよ。

世界のバランスが崩れるから」


「わかりました」


俺がそういうと神様がカップにお茶を入れて飲んだ。


「決まりじゃな。」


神様がそういうと肩の力がすっと抜けた気がした。

きょうも威嚇するのをやめていた。


神様はお茶を飲みながら疲れたーと小さくこぼしていた。

きょうは神様に興味を持ったのか、ゆっくりを近づいて行った。

神様はそれに気づいていないみたいだ。


「ん?ってうわぁぁぁ!!」


神様が叫び俺が座っている椅子の後ろに走ってきた。


「神様、きょうが怖いんですか?」


「誰だって怖いでしょ!!」


神様がきょうを見つめながらそう叫ぶ。


「慣れたらかわいいですよ。もふもふで。」


「そんなすぐに慣れんのがおかしいんだよぉ!」


きょうがゆっくり近づき、それに合わせて神様がゆっくり逃げる。


「もう、帰る!」


神様はきょうから逃げながら叫んだ。

すると神様の周りが光りだした。


「また様子見に来るから!」


神様はそれだけ言って消えた。

俺は神様が入れたお茶を少し飲んで席を立った。

まさか、きょうのことで神様にまた会うことになるとは思わなかった。


「約束、守らないとなぁ」


神様との約束は難しいものではない。

約束はできるだけ守っていこうと思う。


「羊、捕まえに行くかぁ」


神様が来たことで先延ばしになってしまったが、別にまだ昼なのでいけないことはない。

それに、あれ以来見かけたこともないあの羊を探すのは困難だろう。

少しでも、多い時間探すべきだと俺は思う。


行こうとしてたところなので準備は済んでいる。

つまり、今すぐ行ける!


そうと決まれば、さっそく家を出てサハラに連れて行ってもらおう。

きょうを少し撫でてから家を出た。

何かを討伐しに行くわけではないので荷物は少なめ。


外に出ると、サハラがやっとかという顔でこっちを見てきた。

まぁ、神様が来る前から荷物をサハラの鞍のポケットに入れていたりしていたから出かけようとしているのを知っていたのだろう。


サハラの顔や首をなでてからサハラに乗った。

道は、この前ゴブリンを討伐しに行った道と一緒だ。


サハラがいつものように軽快に走る。

きょうも調子がいいのかワクワクしているような気がした。


あの羊がすぐに見つかる気はしていないが、この子たちと一緒なら見つけられる気がした。


もふもふの羊を探しにれっつらごー!





読んでいただきありがとうございました。楽しんでいただけたならうれしいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ