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7話 モンスターには夢を詰め込みたい。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

怪我をしたでかわんこを家に上げてから早一日。

最初に会った時よりもぬくもりがあって回復してきている感じがした。

が、まだ目は覚まさない。


ポーションはその日のうちに何個か買ってきたがそれなりに高いので日常的に使うのは無理だな。


今日に目を覚まして暴れると危ないのでクエストを受けに行くことができない。

別にそれ自体は構わないのだが買い物をできないのはだいぶ痛い。

この子のせいにすることはしないけど。


何とか、別の案を出さないと。


何分か考えてみたが何も思いつかない。

アレンさんにわんこを見といてもらうのも怖いしなぁ


あ、そうだ



とてもいい案が思いついたのでサハラの鞍に着けてある小さいバックに紙とお金を入れた。

紙に書いてあるのは買ってきてほしいもの。

アレンさんに買ってきてもらえば俺がここから動くことなく買い物ができる。


「アレンさんには迷惑かけるけど」


まぁきっとやってくれるだろう。

サハラも昨日は走れてないからたまには自分の好きなスピードで自由に走ることも大事だと思う。


サハラを見送って俺は家の中に戻る。


本当にでかいわんこだな。

普通に大型犬より一回りでかそうだ。

この子を飼うならもっといい仕事探さなきゃなぁ。


そう考えながらわんこの頭をなでる。

ふわふわの毛で触り心地がいい。

この子はどんなモンスターなのだろうか。


というか、思い返してみれば俺こっち来てから普通の動物に会ってないな。

そもそもいないのか?

いや、でも街には牛肉って書いてある肉が売ってたしな。


そんなことを考えていると視界の隅で何かが動いた気がした。

何かと思いそっちのほうを見てみたらわんこの耳が少し動いていた。


「起きる......?」


じっと、わんこのほうを見ているとゆっくり目が開いた。

立とうとしているのかゆっくり体を起こし始める。

まだ、前足がいたそうだったが何とか立ち上がった。


わんこはゆっくり俺に近づいてきた。

敵意は感じないが、ガッと来られたら死ぬ。


俺がこの後の動きを頭の中でシュミュレーションしている間もどんどん近づいてくる。

もともとそんなに距離はなかったからもうだいぶ近い。


わんこの鼻が足に当たる。

その後にすりすりと頭をこすりつけてくる。


「これ、甘えてるんだよな......?」


え、俺、愛されスキル使ってないよ?


とりあえず、わんこがかわいいので頭をなでてあげる。

すると、嬉しそうにしっぽを振ってくれたので完全に敵意はないと思われる。

俺は床に座ってわんこをなで始める。


「かわいい。」


ていうか、近くでよく見たらわんこじゃなくて狼な気がしてきた

まぁどっちでもいいが。

かわいいので。


撫でていると家のドアをたたかれる音がする。


「なんだろ」


撫でるのをやめてドアを開ける。

そこにいたのはサハラだった。


「おかえり。おつかいありがとう!えらいねぇ!」


サハラから荷物をおろし、サハラをなでる。

サハラはあまりうれしそうにしてくれないが嫌がってはいないので自己満足のために撫でる。


一通り撫で終わるとサハラは森のほうへ走っていった。

おそらく毒漬けゴブリンの補充を取りに行くのだろう。


俺は荷物を持って家の中に戻った。

わんこ?はブランケットの上でお座りしていた。

かわいい。


「名前決めないとな。何がいいかな」


かっこかわいい子だし難しい。


「そうだな、きょう。どう?」


少し首をかしげるて見せたがすぐに


「バウッ!」


と、元気よく鳴いてくれたのでいいということだろう。



きょうが来てから一週間。

きょうの足はだいぶ治り走れるようにまで回復した。

変わったことと言えば財布がダイエットに成功していたことだった。


いや、もともと痩せてはいるがもっと痩せた。

皮だけになるのももう近いだろう。


ということで、俺はサハラに乗りきょうを連れて街へ向かった。

そう、俺は勇気を出して討伐クエストを受けるのだ。

もしもの時は逃げればいい。


サハラをアレンさんに預けてきょうと二人でギルドに入った。

ギルドにはいつもの強そうな人たちがたくさんいた。

受付に向かう。


「あの、簡単な討伐クエストってありますか?」


「討伐クエストですか?それなら、ゴブリンとかですかね」


「できれば、しっかり稼げるやつがいいんですけど」


受付の人は俺の装備を見てうーんと悩んでいる。

俺はG級の冒険者だったが、クエストをたくさん受けていたことでFまで上がっていた。


「すこし、厳しいかもしれませんがこの中級ゴブリンの群れの討伐クエストはいかがでしょうか?」


「中級ゴブリン......」


ゴブリンは嫌いなのでいつもなら諦めるのだがこのクエスト、報酬がおいしい。

クエスト達成で日本円でいう2万円ほどの報酬がある。


俺が渋っているときょうが俺に任せろという顔でこっちを見てきた。

無理をさせるつもりはないがそういうなら任せよう。

いざとなれば逃げればいい。


クエストを受けてギルドから出る。

きょうのほうを見てみると心なしかワクワクしている気がした。


サハラを受け取って乗る。

ここに来るまでの道でサハラのスピードにきょうがついてこれることがわかった。

クエストの場所へと移動を始める。


街からそんなに遠くないクエストの場所は森だった。

受付の人によるとサハラがいつも毒漬けにしているのが一番小さいゴブリン。

中級ゴブリンはそれより体が少し大きく力も強いらしい。


森に入ってからはサハラから降りて歩いてゴブリンを探した。

森に入ってから10分ほどすると少し開けた場所に出た。


すると、今俺たちがいるところから見て左のほうにゴブリンが現れた。

いつもより大きい。

あれが討伐対象だろう。


きょうがゴブリンめがけて飛び出していった。

ゴブリンののどにかみつくと血しぶきが上がりきょうに付いた。

家の近くに川があってよかった。


サハラも毒漬けゴブリンを作るために行くかと思ったが俺の横から動かない。

きょう一人で十分ってことか?


そう思いながらきょうのほうを見ていると森からたくさんのゴブリンが出てきた。

さすがにやばいんじゃないかと思った瞬間だった。


きょうの脇腹らへんからきょうを囲むように銃が出てきた。

その瞬間、大きい銃撃音がいくつも重なって聞こえる。


「なにあれ......!?」


この世界にはそもそも銃なんてない。

それなのにきょうを見たら明らかに銃が生えている。

ロボットじゃない。

それは言える。


え、銃を召喚してるってこと??


俺が変な考察をしている間にもゴブリンたちはその姿を見る前に肉片に変身していく。

サハラも優秀な後輩が入ってきたみたいな顔をしている。


これ、俺がおかしいってこと?

え?


よし、考えるのはやめた。

きょうが強くて悪いことはない。

むしろ心強い。


ゴブリンを倒し終わったのかきょうが尻尾をふりながらこっちに走ってきていた。


甘えるように飛びかかってくる。

きょうを受け止められるわけもなく、後ろに倒れる。


もう、かわいいからなんでもいいや。

読んでいただきありがとうございました。次も読んでくれたら嬉しいです!

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