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3話 動物好きは大体乗馬体験をする説。

ここまで読んでいただきありがとうございます。タイトルはすごい偏見です。動物が好きでも乗馬体験をしていない人もいます。

馬車に揺られること早三日。一軒家の前に馬車は止まった。

そこは見渡す限り森で、街に行きたければ徒歩一時間かかるらしい。俺がここまで連れてきてくれた兵士の人にお礼を言うと馬車は帰っていった。

とりあえず、家の中に入ってみる。家の中は汚くもなく机といすだけが置かれていた。


「思ってたよりきれいだな。」


ベットはないのか。別に床でも寝られるが買わないとな。

王様からもらった資金を見てみたがこっちの通貨はわからないのでいくらもらったのかわからない。


何枚で何が買えるのか街に調べに行こうと思ったが徒歩一時間はかかる。

なるほど、この一軒家、立地がクソ悪いな。周り森だし、街から遠いし。


とりあえず、この家の周り見てみるか

近くに川とかあるかもしれないし。そう思い、家の周りの森を少し歩いてみることにした。


森は適度に太陽光が差し込んでいて暗くはなかった。が、夜に入ればさまようだろう。

しかし、見たことない植物ばっかだな。当たり前か異世界だし。


少し歩いてみたが、何も見つからない。知識がないので食べられそうな植物もわからない。


そうなるとやっぱりここらへんで引き返して街に向かったほうがいいのだろうか。

そう思いながら歩いていると、水の流れる音が聞こえた。


「結構近いな。行ってみよう」


音を頼りに森を進んでいく。

近くに水辺を見つけられたらいちいち水を買う必要がなくなる。

そう思いながら進んでみると、少し開けたところに川が流れていた。


小さい川ではないが、いうほど大きくもない。水を汲みに来るにはベストサイズの大きさの川だろう。


それよりも、俺は目の前にいる大きい馬に目を奪われていた。


「馬、かわいい」

「え、乗せてくれないかな」


そんな独り言をつぶやきながらその馬に近づいていく。


黒に見えるが少し紫がかっているような体。白く長いたてがみが顔にかかってしまっていた。


異世界の馬はこんな姿なのか?

いや、でもさっきの馬車の馬はこんなんじゃなかったような......。

まぁかわいいから何でもいい。


五歩ほど近づいたところで、その馬からもこっちに近寄るように歩き始めた。


え、まじ?

近づいてくれんの?

かわいすぎじゃん


俺はもふもふというより動物に飢えていたので正直、もふもふでなくても一緒に生活ができたらいいやと思っていた。


急に動くと馬がびっくりしてしまうかもしれないので、近づいてくれるところまで待つことにした。


だが、馬はずっと歩いてきて俺の目の前で止まった。

愛されスキルはもふもふだけでなく、動物全般に効くのかもしれない!

そう思った俺は愛されスキルを発動しようとした。


そこで俺はあることに気づいた。あれ、愛されスキルってどうやって発動するんだっけ?

もうここまで来たら何が何でもこの子に乗りたい。


中二病みたいな台詞?なりふりなんてかまってられっか!

愛されスキル発動!


目をつぶって心の中でそう叫ぶと自分のほほに毛が当たる感触がした。

目を開けてみると、馬が頭をこすって甘えてくれていた。


やっぱり、愛されスキルは動物全般に効くんだ!


馬は俺に気を許してくれたみたいなので馬の頭をなでる。

その子は毛並みがよくて、やっぱり俺が元居た世界の牧場の乗馬体験で乗ったサラブレットよりも一回りほど大きいような気がした。


その子が俺から少し離れると、乗れというかのように頭を振った。


「え、乗せてくれんの!」


顔を見る限り、結構プライドが高そうっていうかなかなか乗せてくれなさそうな子なのに。


これも愛されスキルのおかげ?ありがとう!神様!疑ってごめん!


だがここで問題が一つ。この子は鞍をつけていないし、俺は背が高いわけでもない。

この子、体が大きすぎて乗れない。背中の高さが高すぎる。


そこらへんにいい高さの岩もないし諦めるしかないかなぁ。


そう考えていると馬が困っているのに気付いたのか足を曲げて座ってくれた。

もしかしたらこの子にはあんまりよくないのかもしれないけれどせっかく乗せようとしてくれているのでありがたく乗ることにした。


その子は、俺がしっかり乗ったのを確認して立ち上がった。

俺は、この子が立ったときの揺れで落ちそうになったが何とか持ちこたえた。


まだ鞍がついていないので振り合とされないようにかまえたが馬はゆっくり歩いてくれたので振り落とされそうになることはなかった。


「視界めっちゃ高」


この子がどこに向かっているかは知らないが、まぁたぶん大丈夫だろう。

俺が来た道を戻っている感じだし。


というか、ずっとこの子って呼ぶのも悪いので名前を付けよう。

雄か雌かは知らない。というか性別あるのか?

さすがにか、動物だもんな。


「サハラ。サハラっていうのはどう?」


俺は馬に話しかける。

言葉の意味は理解していないと思うが小さく鳴いてくれたのでまぁいいということだろう。

ちなみにこの名前に理由は特にない。

語感と今パッと思いついた名前だ。


鞍ってどこで買えばいいのだろうか。最初はベッドかなと思っていたがこれは、最初の出費はサハラの鞍になりそうだな。


「とりあえず、街に行ってみるか」


サハラに声をかけるとまるで分っているかのように小さく鳴く。


この子、天才だ!



森を少し歩いていると、家の前まで戻ってきた。

ここから街までは一本道だと兵士の人に聞いたので迷うことはないだろう。

森を抜けると草原が広がっていた。目の前にある道は馬車がすれ違えそうなくらい横幅はあるが人通りはない。


10分くらい道を歩いただろうか、景色は相変わらず草原だった。

サハラは俺が落ちないようにゆっくり歩いてくれている。

すれ違う人もまだいない。

サハラの歩く速度は俺よりも少し早いのでおそらく一時間はかからないだろう。


また、そこから少しすると畑が見えてきた。

その向こうに家も見える。

街に着くまで家から40分ってところか。

俺が歩くよりだいぶ早いな。さすがサハラ。


街の入口より手前の家のような建物に馬とかかれた看板を見つけた。

鞍の価格もどこでつけてもらえばいいのかもわからないのでここで聞いてみよう。

俺はサハラから頑張って足首をくじかないよう慎重に降りた。


「すいません。ちょっといいですか」


俺はその建物に入って中にいるおじちゃんに声をかけた。


「客か?珍しいな」


「ちょっと教えてほしいことがあって」


「何でも聞けよ!大体のことはわかるぞ」


「馬の鞍を買いたいんですけど、どこに行けばいいですかね?」


「馬のことなら任せろ!鞍もここで売ってる。どの馬だ?見せてみろ」


「えっと、あそこにいるちょっと大きい子なんですけど」


俺はそういって店の外におとなしく待機しているサハラを指さす。

店のおじさんはサハラを見て目を丸くして言った。


「おい、あんた。あれはここら辺に住んでるって言われてるレアモンスターだぞ......!」


「あの子と一緒に暮らしたいんですけどだめですかね?」


「いや、だめではないと思うが、そもそも初めて見た。」


「そうなんですか?」


「ああ。ていうか、なついてるのか?それもすごいな......」


「そうなんです。なついてくれて」


「兄ちゃん、こいつの鞍は任せろ。俺が、いいのを仕上げてやるよ」


「ほんとですか!ありがとうございます!」


「いや、逆に任せてほしい。こいつのことを詳しく見てみたい。兄ちゃんは先に街のほうを見て来いよ。こいつはちょっとでかいからな、街だと邪魔になるかもしれんからここで預かっておいてやるよ」


「ありがとうございます!俺は、西城 啓介です。啓介って呼んでください。こっちはサハラです。」


「よろしくな、ケイスケ。俺は、アレン・クルフィールだ。アレンでいいぞ。サハラはしっかり預かっておくから安心しろよ」


「はい、よろしくお願いします。アレンさん」


俺はそういって街のほうへと進んだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。次も読んでくれたら嬉しいです!

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