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13/13

13話 完全に忘れてた

ここまで読んできただきありがとうございます。この話も楽しんでいただけると嬉しいです。

話は変わりますが2025年10月から2026年3,4月ごろまで話の更新が遅くなります。

読んでいただけると嬉しいです

優斗くんたちに協力するのは構わないが、俺が戦えるわけじゃない。


あの子達はどちらかと言うと暴れたそうにしたがっているから戦うことへの心配はない。


だが、あの子たちが今回、戦えるかと聞かれると大分厳しい。


サハラは外で戦闘には強いが、アジトとなると室内戦が予想される。つまり、サハラは戦力外になる可能性がある。


きょうはと言うと、戦闘の場所に問題はないと思うがそれ以上に神様との約束がある。


何ヶ月か前に神様と結んだ約束。その中にはあまりきょうの力を人に見せてはいけないこと。


きょうに力を借りると言うなら、神様に許可を取らなければならない。だが、こちらから神様を呼び出す方法はない。


まぁ、誘拐事件は無視できないし緊急となったら許可を取らなくても大丈夫だろう。


だが、そんな緊急なんて事態は絶対に避けたい。俺はアジト突撃までのあと4日。神様を召喚することに全力を注がなくてはならない。




とはいえ、俺が何も持っていかないわけにもいかないので、戦闘用ナイフを購入しに街までやってきた。


前衛で戦うわけではないので小振りの扱いやすい物がいい。


武器屋はアレンさんに教えてもらったので、まぁ問題は無いだろう。


と、その前に久しく行っていなかったギルドを訪ねることにした。勇者一行に俺を紹介した奴も探し出さなくては。



久しぶりに行ったギルドに特に変わりはなく、前と同じくムキムキの強そうな冒険者がたくさんいた。


優しくしてくれた受付のお姉さんが俺を紹介したはずがない。ギルドの人なら、もっと高いランクの人を紹介したはずだ。


となると、高いランクの冒険者とあまり関わりがなく、低ランクである俺のことを知っている人物。


とても限られてくる人物の中には一人。ほぼ、確信している人物がいる。金髪で、鎧だけ大きい主人公みたいな顔をした奴だ。


そんなの、このギルドには今、俺の目の前にいるアベルくんしか思いつかない。


ニコニコ笑顔でこっちを見てきやがって。結構久しぶりの再会ではあるが嬉しくはない。


「ケースケ!元気してたか?」


「元気だったよ。お前は?」


「俺も、元気!」


こいつ、知らないフリをするつもりか。お前が勧めたなら本人に報告しろよ。


「お前、勇者一行に俺を紹介しただろ」


「……?あ!した!」


「やっぱりお前かい」


「なんか、強い人を探してそうだったから。

ケースケを勧めといた。

ケースケ強いし、頼りになるし。」


褒められて嬉しいが、勧めるなら俺じゃないだろ。そして、明らかに戦力が足りない。


「あとな、俺、ランク上がったんだ!ケースケに見習ってゴブリンを倒してたら上がった。」


ちょうどいい。足りない戦力はアベルで補おう。ランクも上がったみたいだし。ある程度、戦闘は出来るだろう。


「ちょうどよかった。勇者たちにアベルの参加も伝えとくから」


「え、ちょ、なんで!?!?」


いやー、よかった。

微力かもしれないが戦力ゲットだな。


本人は後ろで全力で反対していたが、俺のことを勝手に紹介した罰だ。

いざとなったら助けるしいいだろう。


こうなると、今の戦力は勇者一行に最強モンスター二匹、低ランク冒険者が二人。


まぁ、これくらいで足りると信じよう。


あ、そうだ。

こんなとこでぐだぐだしている場合じゃなかった。


アベルにも会えたし、アレンさんが紹介してくれた武器屋に行くか。

俺が扱える武器があるといいんだが。





ギルドから徒歩約5分。

店が集まる街の中心地にその店はあった。


店の名前はアンヴィル。

この街では結構有名な武器屋らしい。


店の中の壁には剣や盾が並んでいる。

大ぶりの剣は扱える気がしない。


かといって、短すぎては頼りない。

まぁ、正直俺が戦えるとは思っていないんだがあるに困ることはないだろう。


戦えないことを考えると盾を持ってずっと人を守っていてもいいかもしれない。

戦わなくてもいいだろうし。


そう考え、店の人に許可をもらい盾を持ってみた。

大きめの銀の盾だ。


丈夫そうだし、幅も広い。

ある程度の攻撃はしのげそうだ。


まじまじと盾を見てから持ってみる。

持ち手に手をかけて構える。


「重ッ.....!!」


結構な重量感だ。

持った瞬間にわかる。


これは、ギルドにいるムキムキマッチョなお兄さんたちが使うものだ.....!!!


俺も最近、牧場(仮)で結構筋肉がついてきたと思ったがやはり元が貧弱すぎてだめだった。

こんなのを対人戦で使ったら足手まといどころじゃない。


そういうことで、盾は早々に諦めておとなしく俺でも扱えるような武器を探す。

有力候補は片手剣みたいなものだ。


特殊武器的なのも使ってはみたいが、さっきの盾の二の舞になる気しかしない。

いや、でももう少し探してみよう。


弓はどうだ?

エイムさえよければ扱えそうな気がする。


試してみたが弓を引く力もエイムもなかった無念。

結局、すべての武器に無謀にチャレンジしたがどれも才能はなかった。


そんな俺を哀れに思ったのか店員さんに声をかけられた。


「あの、もしよろしかったらこちらをお試しになりませんか?」


声をかけてきたのは武器屋には似つかない少年だった。

幼いわけではないが青年というには少し若い気がする。


少年が差し出してきたのは、長方形のプラスチックのような物体だった。

手に収まるほどのサイズ感でなんなのか全く想像もつかない。


「これなんですか?」


俺が素直に聞いてみると少年はプラスチックの真ん中ぐらいを指さした。

よく見たらスイッチのようなものがある。


ここを押せってことか?


たぶんをそういうことなのでポチっと押してみる。

そうすると瞬きをする前に透明のバリアのようなものがプラスチックの周りに出てきた。


今握っているプラスチックみたいなものが持ち手のになるような形で盾になった。

先ほどの盾とは違い、軽く小さいので扱いやすそうだ。


「それは、防御魔法を組み込んだ魔法具です。

今やっていただいたように真ん中のボタンを押すとバリアが出てきます」


「これは、店にはおいてなかったけど売ってないんですか?」


「えっと、売ってます.....!でも、まだ一人前じゃないので.....」


なるほど見習いが作ったものだったのか。

だが、これ以上に扱えそうな武器はないしなぁ.....


「耐久性はどのぐらいですか?」


「あ、えっと、あそこに置いてある鉄の盾ぐらいです.....」


鉄と同じなら申し分ないだろう。

別に見習いの物がいやというわけではないのでこれを買ってしまおう。


「これ、売ってください」


「え、いいんですか!?」


「はい、これが一番扱いやすそうなので」


「.....ありがとうございます.....!」


そのままその子にお会計までしてもらった。

値段は金貨1枚。


店の中に置いていた鉄の盾は金貨2枚ほどだった。

つまり、同じ強度のもっといいものを半分ほどの値段で買えたということだ。


ラッキーだった。

あの少年はいい武器屋になると思う。


さて、これで俺の武器はゲットした。

次はあれを取りに行こう。





やってきたのは街の門の外にあるアレンさんの店だ。

ずっと前にアレンさんに頼んだまま忘れていたものだ。


そう、サハラの鞍である。

本当は結構前からできたとは聞いていたがそれから忘れ続けて受け取っていなかった。


お金もたまってきたし、そろそろ受け取らないとアレンさんに怒られそうだ。


「アレンさん、鞍を受け取りに来ました」


「おう、お前忘れてただろ」


「いや~そんなわけないですよ」


「まぁいい。できたぞ。サハラにつけるか?」


「お願いします」


今まではアレンさんが仮で貸してくれていた普通の鞍だったが、今回アレンさんが作ってくれたものはポケットがたくさんついていて荷物を持つのだったりに特化したものだ。


サハラの体の色に合う黒っぽい鞍でとても気に入った。

アレンさんにお礼を言って家に帰った。


サハラも気に入ったらしく喜んでくれていた。

かわいい。


あと二日、やるといったからにはできるだけの準備をして誘拐事件の犯人のアジトに行けるようにしなくては。




読んでいただきありがとうございました。次も読んでいただけると嬉しいです。

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