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10話 やっと牧場らしいことができました。+番外編1 サハラの小屋紹介

ここまで読んでいただきありがとうございました。今回は、記念すべき10話目ということで本当に短い番外編を足してみました。読まなくても本編に支障はありません。

神様が来てから早三日。

羊はまだ見つかていなかった。


「居ねぇー!羊が居ねぇ!!」


みんなで探し回ってみたが、いる気配すらない。

一度アレンさんにあの羊について聞いてみた。

アレンさんが言うには普通の羊とは違う、レアモンスターらしい。


もともとは、レアモンスターではなかったがかすかに光るような羊毛ととても弱いことから昔にたくさん狩られたらしい。


そのせいで今は、めちゃくちゃレアな存在になってしまったということだ。

どこの世界でも絶滅危惧種的なのっているんだな。


今日のところは一回帰るか。

日も暮れてきたし、夜に探し回っても危ないだけだろう。



帰り道は特に何もなく、無事に帰ってこれた。

神様と約束した手前、ゴブリンに遭遇してまたきょうに倒してもらうわけにもいかない。


家に帰ってまずはサハラときょうのご飯を作った。

作ったといっても切ったりしただけだが。


そういえば最近、サハラの小屋で毒漬けゴブリンを見かけなくなった気がする。

ほどほどにしてくれとは言ったが、急にやめられてしまうと心配になってしまう。

飽きただけならいいけど。


「はぁ、羊ともふもふしたいだけなのに......」


作戦を立てなければ。

時間をかけたら見つかるのかもしれないが、今は仕事もしていないし羊探しだけに時間を使えない。


一番最初に、羊に出会ったのは2か月ほど前。

ゴブリン狩りの帰りだったから夕方ぐらいのことだっただろう。


夜にしか現れないのか?

いや、でもアレンさんからそんな話は聞いていない。


うーん、難しい。



あ、そういえばあの羊って光るんだっけ?

やっぱり、夕方とか夜に探してみるべきか。


でも夜はなぁ、ゴブリンが......

ごちゃごちゃ言ってる場合じゃないか。


もう柵も用意しちゃったんだし。

こんなところで諦めてたまるか!



ということで、さっそく翌日の夕方にその場所に行ってみた。

モンスターに会う可能性もあったがラッキーなことにモンスターには会わなかった。


とりあえず、モンスターに会ったらサハラに倒してもらって、たくさん来たら逃げる。

そういう計画だ。


道の横に広がる森やこの前、羊が隠れていた茂みも探してみたがやはりいない。

きょうが怖すぎたのだろうか。


そんなことを考えていると茂みに突っ込んでいったきょうがいきなり、バウ!と吠えた。

何かと思ってサハラと一緒にその茂みに近づく。


茂みをのぞいてみると、中にはプルプル震えた毛玉が一匹。

この前と同じくかすかに光っている気がした。


少し観察をしていると震えた毛玉、いや羊は茂みの中から飛び出していった。


「あ、きょう!追いかけて!!」


やっと、見つけたんだ。

逃がしてたまるか!


俺もサハラに乗り羊を追いかけて行ったきょうを追いかける。

神様からもらった愛されスキルでもふもふするんだ!

なんとしてでも!



きょうを追いかけてサハラと走っていると止まっているきょうを見つけた。


「見失った?」


俺がきょうに言うときょうはあっちを見ろという風に森の奥に視線を向けた。

そこには羊の群れがいた。


数はざっと10匹くらいだろうか。

俺はきょうとサハラをその場で待たせて一人で群れのほうへ歩いて行った。


群れの羊は警戒していたが俺が群れの目の前まで歩いていき止まると、群れの中から一匹の羊が出てきた。


その羊は目にあたりに傷跡があって群れのボスですって顔をしていた。

傷跡があるといってもいかつい感じでもなくただのかわいい羊だった。


目標はもふること。

逃げられたら縁がなかったってことで諦めよう。


俺がボスの子に手を伸ばすと後ずさりをする。

だめか。


そう思い手を引っ込めると、今度はボスの子が近づいてきた。

来たか!?


思い切って、羊毛に手を伸ばす。

ボスの子が逃げる気配はない。


ついに俺の手が羊毛に届く。

もふもふだ!


きょうももふもふだがやはり、羊とはまた違う。

もふって感じが素晴らしい。


群れの子たちもそれを見て安心したのか、俺に近寄ってきてくれる。

幸せ。


「うちに来る?安全だよ」


俺がそういうと、言葉の意味を理解したのかボスの子がみんなを集めて話し合っていた。

ほぼ毛しか見えてない。でっかい毛玉みたいだ。


少し待っていると、みんなが振り返ってボスの子がメェーと鳴いた。

かわいい


じゃなくて、これはうちにくると受け取っていいのだろうか。

こんな、ご都合展開になるなんて愛されスキル万歳。

ありがとう、神様。


この子たちを家に連れて帰らないといけないのだがここで問題が一つ。

さっきの怖がりようを見る限り、きょうに会わせたら散り散りに逃げてしまうだろう。


それに、この子たちがサハラについてこれるのかも不明だ。

まぁ、おそらく無理だろう。


そうなると、ゆっくり歩いて帰るしかない。

きょうにも離れて歩いてもらうしかないな。


ごめんきょう。

帰ったら遊んであげるから我慢してくれ。


そうと決まれば、歩いて帰ろう。

羊たちは俺についてきてくれるみたいだし、大丈夫だろう。


もしかしたら、モンスターに遭遇するかもしれないのでサハラにも近くを歩いてもらう。


羊たちはみんなてちてち歩いていてかわいい。

少し光っている毛も光るぬいぐるみみたいでかわいい。


この子たち、毛は生え変わるのだろうか。

この世界に夏があるのかは知らないが、最近暑くなってきた気もする。


もし、生え変わらないのなら夏に向けて毛を切ってやらないと暑いだろうな。

暑いのは嫌だなぁ。


この世界の冷房設備がどうなってるかわからないし、普通に暑いのは嫌いだ。

きょうたちも得意ではなさそうだし。


そんなことを考えながら羊たちを見る。

ブラシを通しただけでもいっぱい毛が取れそうだな。


あ、ほかの動物たちも集めて牧場を作れないだろうか。

牛とか、鶏とかも集めて仕事にすれば小さい頃の夢もかなえられる。


動物とも触れ合えるし、好きなだけもふもふもできる!


そうすれば、この子たちのご飯代とかならまかなえるんじゃないか?

っていうか、この羊たちは何を食べるんだろうか。

見た限り、草を食べそうだが雑草与えるわけにもいかないしなぁ。


まぁ、詳しいことは家に帰ってから考えるか。




「ただいまぁ~!!」


家に帰り、羊たちを柵に入れたところでもう日の出が近そうだった。

サハラを小屋に入れて、きょうと家に入った。


きょうも歩き疲れたのかだいぶ眠そうだった。

俺も眠い。


きょうと二人でベッドに入って眠る。

明日は、きょうと遊んでやらないと。




番外編1 サハラの小屋紹介


サハラの小屋紹介は私、大工のラズがさせてもらう。

ただただ紹介してもつまらないから、作っていた時の話をしよう。



「こんなにでかい仕事は初めてかもな」


依頼は、馬のモンスターであるサハラの小屋。

とても大きいとは言わないが、歩き回れるほどのスペースがある大きめの馬小屋だ。


後ろで一つ結びをしている髪が揺れる。

邪魔で切ってしまおうかと思うときもあるが父親がきれいだと言ってくれた髪だから大事にしたい。


それに、髪よりも胸のほうが邪魔だ。

私はあまりないほうがよかった。


それよりも、今作っているのは小屋の奥にある、とあるスペース。

これは、ケースケに依頼された小屋の設計にはなかったのだがサハラの希望だ。

追加料金を取るつもりはない。


まだ、小屋を建てる前。

大体の場所を決めているときにサハラが毒漬けされたゴブリンを見せてきたときにこの計画はできた。


そう、このスペースはゴブリンを隠すためのスペース。

私とサハラだけの秘密だ。


あと、この小屋にはサハラが自分で出れる扉がある。

これはケースケの希望だった。


なんでも、ケースケはあのゴブリンのことを知っているらしくそれもありいつでも外に出れるように小屋を建ててほしいらしい。


小屋を建てているときにゴブリンを見て複雑な顔をしているケースケを見たことがある。

嫌そうといえば嫌そうな顔をしているので、サハラは隠そうと私にあのゴブリンを見せたのだろう。


ケースケの希望は普通にかなえたがサハラからの要望は面白そうだからかなえたという面もある。

まぁ、自分で言うのも何だがいい大工だと思う。


そんなこんなあって、完成したのがサハラの小屋だ。

誰かに、


「今後も、ご贔屓に」



読んでいただきありがとうございました。次も読んでいただけると嬉しいです

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