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第35話 蜂起の連鎖

 パルメリア率いる義勇軍は、兵力や装備で劣っていたものの、地形を巧みに活かしたゲリラ戦で次々に勝利を重ねていった。その戦果は瞬く間に広まり、革命派の蜂起(ほうき)はあっという間に王国全土へと広がりを見せた。


 ベルモント公爵や保守派は、軍事力で圧倒しようと考えていたが、各地で民衆の蜂起や他の領地からの支持が次々と起こり、戦局は急速にパルメリア陣営に有利に傾いていった。


(予想外なのはむしろ私たちの方かもしれない。こんなにも早く、王国中で人々が立ち上がるなんて…。でも、これで勝機が見えてきたわ)


 コレット領が幾度もの大規模な戦闘を乗り越え、義勇軍を拡大し続ける一方、他の地方でも次々と改革派や農民たちの蜂起が相次いだ。西方の山岳地帯では貧しい農民たちが険しい地形を利用して保守派の部隊を包囲し、南方の大河沿いでは小領主たちがコレット領の施策を取り入れて民兵を組織し、王国軍の進軍を食い止めるといった形で、各地で改革への呼応が広がっていった。


「パルメリアたちが勝っているなら、私たちにもできるはずだ!」 「もう搾取に耐える日々はごめんだ!」


 そんな声が各地で上がり、蜂起の知らせは連日コレット領に届く。ユリウスが率いる革命派は、情報網を駆使して北から南まで連携を強化していく。結果、コレット領の抵抗戦線は孤立どころか、さまざまな地方から保守派を攪乱する体制が整い、義勇兵や領民たちの士気はますます高まっていった。


 一方、王国軍の指揮を執る将軍たちは、かつて経験したことのない焦燥感に駆られ始めていた。


「パルメリア・コレット……あの小癪な娘を、なんとしても早く討ち取れ。さもなければ、この王国は奴らの革命に飲み込まれてしまうぞ!」


 ベルモント公爵派の司令部では、怒号が飛び交い、再編された大軍を一箇所に集結させようとするが、各地に広がる蜂起に翻弄され、思うように戦線をまとめられず、停滞が続く。


 こうして、次第に状況はパルメリア側へと有利に傾き、コレット領には追い風が吹き始めた。

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