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変われた私 1

「この人は誰、?」

「急に掴んでごめんなさい。俺優太」

「えっ、? 優太、?」

「そう。いつも話してる優太」

「なんで、何でここにいるの?」

「それは俺が聞きたい。向かいの精神科俺の勤めてるとこ」

「そうだったの、? こんな近くに優太居たんだ、」

「俺もびっくりだよ。休憩中に外見たら屋上に人いるんだもん」

「見えちゃってた、?」

「だいぶ前からな。」

「でも、私ってわかったの?」

「声。声でわかった」

声、? 優太の言ってることがさっぱりわからなかった

「どうして声なんかでわかったの?」

「柚乃飛ぶ前に言ったろ? 私の人生終わり。ありがとう私って。

呂律がうまく回ってなかったからODした後だとはすぐ判断できた。けど、なによりこの前の電話の時の声と全く同じだった。だから、掴んだ」

なるほど。電話したことあるなんて覚えてないほど意識が朦朧としてた。

「そういうことか。ありが・・・」

視界が真っ暗になった。

遠くから名前を呼ばれてる気がする。

でも、聞こえない。

耳鳴りに聞こえる。


どのくらい経ったのだろうか。

気づいたら病院のベットで寝ていた。

「あっ、柚乃起きた。大丈夫?」

優太が隣にいた。

「大丈夫だよ。ちょっとめまいして倒れちゃっただけ」

「本気で言ってる? ODの副作用でしょ?」

「そんなこと、ないよ、」

実を言うとそうだと思う。

けど、今までいろんな人を騙してきた。

だから、今回もいけると思った。

「なんで嘘つくの?」

「えっ、?」

なぜばれてしまったのか。

嘘はうまくついたつもりだった。

「騙せたと思った? 精神科医はすぐ気づけるよ」

たしかに優太はいつも上手(うわて)

だから、すぐ気づけたんだろう。

「さっき、柚乃が急に倒れたから何事かと思った。そしたら近くに風邪薬2箱見つけた。

ODしたんだなってわかってたけど、こんなに多いとは思ってなかった。

だから胃洗浄したから胃が変な感じするかもしれない。だけど、俺は死んでほしくなかった。

だから、あそこまで走った。間に合えって思って。」

「そっか、」

「柚乃は死にたかったでしょ? だから正直俺のやったことが有難迷惑だと思ってるでしょ」

「そんなことな・・・」

「嘘つかないで。」

もう優太には嘘をつけない。

そう思ってもう正直に話すことにした。

「うん、もう死にたかったの。終わりにしたかったの。なのに止められて。生きる意味なんてない。なんのために生きてるの。何がしたいの。わかんないことばっかり。今日こそは死ねるって思った。もう死にたかったから自殺未遂したらもっかい飛び降りしよって思ってた」

話しちゃった。全部ありのままのことを。

「なるほどね。ありがとう話してくれて。柚乃がよければでいい。俺のとこ通院に来ない?」

「行きたい、」

「よかった。柚乃は特別に診察代をもらわないよ。仕事の時間外にしよっか」

「でも、優太に迷惑かかっちゃうよ」

「大丈夫だよ。これが初めてじゃないから」

「初めてじゃない? 過去に同じことがあったの?」

「う~ん、そうだな・・・」

「優太医師、医院長が呼んでいます」

ナースさんがそう言い「わかった、すぐ行くね」そう返していた

「柚乃ちょっと待っててね。病室から逃げないでね」

「あ、うん。」

(行っちゃったぁ、)


初めて優太と会い、この日から自分変われた。

「優太のおかげ、ありがとう。ずっと会いたかった」

そう伝えたかった。

でも勇気が出なくて言えずにいた。


私の人生はまだ始まったばっかりなのだ。

これからが私の本当の人生。

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