冒険者編2
ギルドには3日行って1日休みのペースで通い、薬草集めや街中のお手伝い的な依頼を受けたりして漸く1ヶ月くらいたった。だいぶルーティンにもなれて順調にポイントを稼ぎランクも8級になって討伐依頼も受けれるようになったので、ホーンラビットやゴブリン、ウルフ系や昆虫系の魔物の間引き依頼を受ける。この世界の昆虫はデカいんだよ!初めて見た時はびっくりしたけど、小さいと知らない間に肩や服についていたりするけど、そんな事は起きない。苦手なら見えたら逃げれば良いから楽。
今日もギルドに来たけどなんだか周りがザワザワしてる?
「こんにちは!今日も討伐依頼受けます。」
「エル君こんにちは!今日は出来たらフロッグが増えてきてるみたいなので其方をお願いします」
「わかりました。討伐部位はどこですか?」
「フロッグは舌なんだけど、皮も素材になるし肉も買い取れるからそのまま持ってきてもらっても大丈夫よ!」
「了解です!行ってきます!」
ギルドの受付のお姉さんは僕がマジックバックある事も知ってるので大量納品しても大丈夫になった。
フロッグは森よりも湖周辺が出没地点なので、門を出てからいつもとは違う方向に向かう。
「いや!増え過ぎだろ!!」
僕の目の前には増えたフロッグがいっぱいいる…3・4・50匹くらい?これは一度に大量に来て囲まれても面倒だからちょっと分けるか…
空魔法で5匹位づつを結界で囲み端から討伐していく…。本当はパーティを組めば良いんだけど、能力ばれも困るし貴族とバレても困るから必然的にソロになる。
フロッグは弓と魔法で遠距離から仕留める。弱いから攻撃も舌を伸ばして突いてくるだけだから時間をかければ行けるけど疲れる…。なるべく口の中を狙って当てる自分で考えた縛りプレイでレベ上げをする。
レベルが上がると身体能力も知力も上がる。魔法を使えばどれだけ食べても太らないなんて良い世界だ!(笑)今は男だから気にしないけどダイエット頑張らなくて良いのは前の時に欲しかった。
「はぁ…おわったか…?」
とりあえず見渡す限りはフロッグはいないかな?結局78匹もいやがった。空魔法で空間収納を作ってあるので全部目視で入れる。出す時はマジックバックから出してるようにしてる。目視で入れられるのが本当助かる…一匹づつ入れるのは面倒くさい。
「ちょっと場所変えて休憩しよう…」
フロッグがいっぱいいたあたりから少し逸れた所の川沿いの開けた所で休憩することにした。疲れたから結界を張り魔物除けを周囲に撒く。常に魔力感知はしてるけど念のため
石を囲って風除けにして火を起こす。簡易チェアを出して座る。持ってきていたサンドイッチを食べる。加温プレート(小)でマグカップのお水を沸かして手作りのティーパックでお茶を入れる。
「はぁ…やっと落ち着いた」
外に出た時はなるべく依頼は午前中で終わりにしてお昼の後は魔法の訓練にしてる。屋敷でも訓練場があるけど主に体力作りや剣や槍の鍛錬に使って魔法は余り練習場所が無いんだよな。まぁ使えない属性があるから外の方がいいだろう。
こんなに外でレベ上げ出来るのは父様の理解があってからこそだよな。普通の貴族子息ならお茶会とかにも行かないと行けないみたいだけど、僕は学園までは全部不参加の予定。何かあっても全部シア様がなんとかしてくれるから大丈夫らしい。
勉強ももう学園で教わる内容まで終わってるので学園入学前にまた少し復習すれば良い事になってる。ダンスも男性パート・不本意ながら女性パートも踊れる。今は月1のレッスンのみだからここまで冒険者業が出来ている。
「早くレベル40まで上げて上級使えるようにならないと」
休憩した事で頭の中もスッキリしたから、魔法の訓練しよう風が強い草原に移動する…
色んな魔法書を読んだけど空を飛ぶ魔法は存在しなかった。出来てジャンプの補助や落ちる時の補助魔法単体では難しいのはわかった。だけど自分には前の世界での知識もあるからハングライダーやパラシュート、ウイングスーツを参考にしてみる。後は重力この概念があるか無いか無いかは大きいと思う。
魔法は色んな人がイメージを固定化して出来たものが多い。呪文や魔法名もイメージするには役立ってると思う。けど、基本は何を理解しているかで違ってくるとわかってきた。先生達に教わったのは一般的な魔法で大勢が使える。それも必要だけど自分で考えたのは風を身体に纏わせて鎧の代わりにしたり、水を出すにも内容成分を変えるだけで味が変わったりするし、身体強化だって部分的に使えば視力も良くなったり出来る。創造力と原理の落とし込みで新しい魔法は作れるようになった。
空を飛ぶのは憧れだよね。身体にかかる重力を軽くして上昇気流をつくれば高く上がる事は出来る…でも移動が上手くいかない。とりあえず今日はパラグライダーみたいなを作ったのでそれで練習してみる。
「よし近くに人は居ないし風も中々気持ちいい。」
バックパックみたいなリュックにパラシュートと左右を引っ張る紐を取り付けてある。自身の重力の負荷減らしてトンと蹴ると軽いからか高く跳躍出来る。そのままパラシュートに風を送り上空まで一気に上がる。この時はかなりGがかかるから慣れるまでは酔って吐いていた
「わぁ、やっぱり綺麗だな」
上空から見る景色は自然豊かな光景。必要以上に森を切り開いてないから肥沃な大地が広がっている。
暫く景色を堪能したけど実は緩く旋回してる為場所は大して移動していない
「うーん、移動するにはやっぱり風まかせ?ずっと風を送るのは魔力が持たないよな〜…何より飛行型の魔物に合うと攻撃しづらい」
少し離れた所からこちらを威嚇してくる鳥系の魔物を風のかまいたちで首を落とし、空間収納へ入れる。あの鳥は討伐報酬はないけど羽と肉が高く売れるからな
そんな感じで空での戦闘を終えると突然誰かに抱き込まれた!
「大丈夫か?今助けてやるから!」
ガッチリ抱き込まれてて何が起きてるのかわからないけど、相手が男だという事はわかった。
「ウインドアロー」
その魔法が向かったのはパラシュートで、見事に穴あきになり急速に地面に落ちていく。
「ウイング」
そのまま急降下と思ったけど緩やかに落ちていく…。顔も見えないし誰かわからないけどかなり魔法を使える人だ