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冒険者編5

 予定通り5階層のセーフティエリアまで着いたので比較的奥の場所にテントを張って場所を確保する。

 

 このテントはハルトのもので中は空間拡張付与がしてあるので見た目よりも中は広い。魔力登録がないと出入り出来ない仕様。流石1級冒険者!試作品など宣伝の為に色んな人から便利なものや最新のものが贈呈されるらしく、使ったら使用感を報告してるからお互いウィンウィンな関係らしい。


 今回のダンジョンでは僕が殆ど食事担当で見張りはハルトとジークがしてくれる事になってる。見張りにも参加したかったけど、今回は食事だけになったから頑張って美味しい物を作りたいと思う。


 早速、今回の為に領の贔屓にしてる鍛冶屋に頼んで作ってもらったバーベキューコンロ(3本足で丸くて蓋もあるやつ)に火を起こして入れて大きめの鍋でスープを作る。味噌を使いたいから豚汁にした。野菜は普段から空間収納に入れてるから結構種類も豊富だし沢山ある。それに初めに具沢山のスープを作る方が新鮮なうちに使ってるって思って貰えるから都合がいいかな。空間収納だと時間経過ないから本当はいつ使ってもいいけど持ってるマジックバックは普通の時間経過するやつだからね。後は醤油を使うから照り焼きチキンにしようかな。

 


 このセーフエリアは結構広くて他にも何組かいて実はさっきから凄く周りから視線を感じるけど、美味しいご飯が食べたいから自重はしない!

 それに一級冒険者のリーンハルトや辺境伯家のジークムントにちょっかいを出す人はいないみたい。皆見てくるけど遠巻きだから我慢できる。


 「エルこの道具はなんだ?」


 ハルトがバーベキューコンロを指して聞いてくる。


「この間知り合いの鍛冶屋に頼んで作ってもらったんです。」

 

「これマジックバックがあれば持ち運べるから便利だな。網があるからこの上で焼けばいいんだろ?」


「そう。最初に火を起こして薪を炭にしてからやると火加減が難しくないと思う」


「それうちにも欲しいな。何処で頼めば買えるのかな?」


「軍で使うならもっと大きくして蓋は無しでもいいかもね。贔屓にしてる鍛冶屋さんはないの?後でこれを見せて作って貰えば?」


「うーん。それは凄くありがたいけどこの商品はエルくんが考えた物じゃないの?商品登録した?」


「え?してないけど、そんなに需要なんてないかなーって?」


「そんな事はない。サイズを変えれば冒険者や軍に売れると思う」


「こーらエル!価値のある物をサラッと出さない!ちゃんと真似されないようにしてからにしろって言っただろ?」


 「う、うん。じゃあででから商業ギルドで登録するよ」


 わしゃわしゃとまたフードごと大きな手で撫でられる。それよりもさっきから2人が近いような…

 

 「えっと…もう少しかかるけど大丈夫?」


「大丈夫だけど、匂いで余計に腹が減って…」

「同じく。気になって…」



 2人はさっきからソワソワとしてチラチラと料理を見てる。2人とも普段はカッコいいのになんか可愛いな


ちょっとなんちゃって焼肉のタレを作っておこう。足りなかった時の為にすぐ出せるようにしようっと…


 照り焼きチキンも出来て、カットしてお皿に盛る。サラダも少しつけておく。パンは買ってきたもので完成!


 椅子はキャンプグッズシリーズの簡易チェアを各自持ってるのでそれに座る。


「お待たせ!馴染みない味だと思うけど多分美味しいよ!」


「「いただきます!」」

「ウマっ!!」

「やばっ止まらない!」


 2人ともすごい勢いで食べだしたのでポカンとしてみてしまった。


「エルくんは料理上手だね。直ぐにお嫁に行っても大丈夫だね!何処か予定はあるのかな?良かったら俺も候補に入れてね」

 

 爽やかなイケメン騎士が急にそんな事言うからびっくりしてちょっとむせちゃった…


 「え?なっ?…ゲホゲホっ…」


「何どさくさに紛れて告白してんだジーク、エルは俺の嫁に決まってるだろ?」


 「はあっ?なにいって…」


「あー、ハルトだって同じくせに!」


 ご飯が美味しすぎたのか2人が可笑しい事を言い出した。


「2人ともご飯美味しかったからって変な事言わないでよ〜、って言うかなんで僕が嫁に行く前提なの?可愛いお嫁さんが欲しいんだけど?」


「エルだったら俺は嫁に貰えるな!」

「俺もエルくんだったら大歓迎!」


 「え?だから僕が可愛いお嫁さんを貰うのは?」


「うーん。多分男も女も入れ食いになるんじゃないか?」

「ハルト入れ食いって…でも本当に性別関係なく群がりそうだね」


 なんだか褒められてるのかもしれないけど、嬉しくない。もしかして偽装効いてない?2人の方がレベルが高いから?


「まぁその話は今は置いといて、この醤油?を使うと本当に美味しいね!味噌のスープも慣れれば大丈夫だと思う」


「ああ、これで飯が美味くなりそうだ。これはギルドに報告して通常採取依頼にしてもらわなきゃだな」


 あっという間に平らげた2人は豚汁をお代わりしてる。


 

 その後もまだ食べたそうにしてたから焼肉のタレを使って肉を焼いたらまた大絶賛!他のパーティーからの視線も煩かった…。


「やばい。ダンジョンでこんなに美味い飯が食えるなんて…」

「ダンジョンじゃなくても食べたいけどねー」


 2人はご飯に満足してくれたみたいで良かった。これでいつでも醤油と味噌が手に入る!本当はお米が欲しいけど、まだ出会ってないんだよね…異世界あるあるの家畜の餌とかも見たけど違かった…はぁ、炊き立てのお米が食べたい…



 

「エルは寝たか?」

「ああ、直ぐ寝落ちしたみたい」


「しかし美味かったな」

「本当に美味しかったよね。これは新しい事業が出来そうだ」

「階級の低い冒険者にとっても良いだろうな」

「そうだな、とりあえず帰ったら直ぐに父上と商業ギルドと冒険者ギルドと話をしないとだな」

「ちゃんとエルにも還元しろよ?」

「当たりまえだろ?それよりエルくんは貴族なのか?」

「多分…。余り自分の事を話さないんだ…」

「認識阻害とかもかけてるよね?何処の秘蔵っ子だろう?」

「思い当たる貴族はいないのか?」

「社交に出ない3男に聞かれても…エル君は普段は何処にいるんだ?」

「エルと出会ったのはアルバート領だ。暫くあそこで仕事してたからな」

「アルバート領?確かあそこには領地から出れない2男がいたはず…。何年か前に洗礼の結果で4属性の適性があって話題になったけど、正妻が領地から出るのを許さなくて出てこれないって聞いた事がある。」

「なんだそれ?エルは冷遇されてるのか?それが本当なら嫁として攫ってくぞ」

「ハルトは結構本気なんだ?でも分かる。良い子だし料理の腕もあるし、魔法も使えるし一緒のパーティでも組みたいよね」

「…実は俺もパーティ組むか?ってサラッと言ってみたが、軽く流された…まぁ、あの頃は本当に駆け出しの冒険者だったから無理があったからな。」

「まぁ今回のダンジョン楽しんでるみたいだからサポートしてあげようよ。レベルも順調に上がってきてるんだろ?」

「ああ、上手く行けば今回のダンジョンで40は超えると思う」

「40?それは結構頑張ったんだね、まだ14歳だろ?」

「俺と出会った時から冒険者ランクと実力が合ってなかったからな。本人も早く40超えしたいみたいだからな」

「オッケー!じゃあどんどん経験値積んで貰おうよ」



 

 テントで爆睡してたからハルトとジークがそんな事話してるなんて気づきもせずにいた。明日から鬼のレベ上げが始まる

 




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