第3話 不死王女の独白
師匠にして友人の不死辺境伯は、先に記した独白手記が下々に評判なの気お良くしてワタクシにも、独白手記を記して発表すね事を勧め来たのです。
不死辺境伯の勧めに従いワタクシも独白手記を記して発表する事にします。
※ ※ ※
ワタクシの名は、不死女王です。
勿論、本名ではありません。
アンテッドして、蘇生した後、暫くは名前は憶えていましたた。
不死者として、幾星霜の日々を過ごし内に、自身の名前の記憶さえ曖昧になりました。
確かワタクシの本名は、アリアかアリーナだった気がします・・・
己の名前さえほぼ忘れたワタクシですが、特に不便を感じた事はありません。
アンテッド仲間やワタクシの眷属達は、ワタクシを不死王女、又は王女様と呼ばれています。
生前は、某国の第3王女でした。
ワタクシに重大な人生の転機が訪れたのは、16歳の時です。
我が王朝は、父上の腹心の部下が起こしたクーデターにより滅亡したのです。
当時のワタクシには、父と母、姉が2人の4人家族でした。
父と母、姉達は、反逆軍に捕らわれ見せしめ為、公開処刑されたと後に、聞かされいます。
反乱時、別荘に遊びに行っていたワタクシは少数の忠臣達と共に隣国に亡命したのです。
しかし、隣国へ逃げ延びる事は出来ませんでした。
隣国の国境で、盗賊団に襲われたのです。
護衛の騎士や兵士は、懸命に盗賊団と戦いましたが、数の暴力の前に敗れ去りました。
盗賊団にワタクシ達一行の末路は悲惨でした。
ワタクシの目の前で、生残りの騎士や兵士が殺されて、側女達は衣服を引裂かれは辱められいます。
眼前でくり広がれる悲惨な光景を眼にしてワタクシは、理性を失っていました。
当然、ワタクシもドレスを引裂かれ辱められる筈でしたが、盗賊達には純潔保護魔法を破る事は出来ません。
純潔を守る事の出来たワタクシですが、代償として命を失い事になったのです。
享年16歳。
短い人生でした・・・
ワタクシの亡骸は、国境の洞窟に投げ入れました。
※ ※ ※
唐突に意識が覚醒しました。
ワタクシは光源不明の薄明かり照らされた洞窟に横たわっていました。
白骨死体として。
スケルトンとして自然の理を反したモンスターして蘇生したのです、ワタクシは・・・
ワタクシの亡骸が投込まれた洞窟は、ダンジョン若しくはダンジョンになりかけていた洞窟だったのです。
ダンジョンでは滞留した魔素の影響でアンテッドが自然発生する事があります。
下級アンテッド、ゾンビやスケルトン等は、理性はありません。
ネクロマンサーに、命令で動くか、本能のままにダンジョンへの侵入者を襲う存在なのです。
下級アンテッド、スケルトンして蘇生したワタクシには理性がありました。
理性だけでは無く魔力もありました。
アンテッドして覚醒した事で、生前にワタクシ中に、眠っていた魔法の才が覚醒したのです。
特殊アンテッド、ウィザードスケルトンして蘇生して覚醒したワタクシは、ダンジョンに留まり魔法の修行を続けました。
自己流ながら魔法の修行を続けたワタクシは、魔素を吸収して進化を続けました。
スケルトンウィザードからウィザードスケルトンソルジャー。
ウィザードスケルトンソルジャーからゾンビウィザードへ。
ゾンビウィザードからハイゾンビウィザードへ。
動く白骨死体、スケルトンウィザードとして第2の人生をスタートさせたワタクシですが、ハイゾンビウィザード迄、進化する事で生前とほぼ変わらぬ容姿を取り戻出来たのです。
金髪碧眼、16歳にしては同年代よりは、抜群プロポーションを誇る身体を。
高度なアンテッド進化するにつれてダンジョンも拡張してきました。
ハイゾンビウィザードに進化するとネクロマンサーとしての才能も覚醒して下級アンテッドを創生して従えられる様に成りました。
中級アンテッド、ハイゾンビウィザードから上級アンテッド『リッチ』に進化する事で、アンテッド以外のダンジョンのモンスターも従える様にもなりました。
ワタクシは、ダンジョンの『亡国の王女の洞窟』の迷宮主して君臨しました。
その頃には洞『亡国の王女の窟』には、モンスター、薬草、霊草、魔素鉱石を採取する為、探索者パーティが探査に訪れる事が増えてきました。
アンテッドとし蘇生して覚醒し幾星霜の歳月が過ぎ事でしょう。
ワタクシは孤独でした。
配下のモンスターは、心無きゾンビ、スケルトン、リビングアーマーか、ダンジヨン内で魔素が具現化した擬人モンスターのゴブリンかオークばかり。
『リッチ』から『ハイリッチ』進化して、魔力は増しましたがワタクシは、人恋しかった。
ワタクシは、長年の孤独の為、正気を失い乱心していたのでしょ。
正気を失っていた、ワタクシは『亡国の王女の洞窟』の探査に訪れる探索者パーティを配下のゾンビ、スケルトン、リビングアーマに命じて襲わせです。
探索者パーティの女性メンバーを浚い、アンテッドとしてワタクシの眷属としてワタクシに仕えさせる為に。
ワタクシの歪んな性癖に気が付いたもこの頃です。
生前の最後の悲惨な経験がトラウマの為、男性を信用する事の出来ないワタクシは女性しか信用出来なかったのです。
攫ってきた探索者の美女・美少女達はドレインタッチで命を奪い、アンテッドとして蘇生さした後は、側女して恋人してワタクシに仕えました。
永遠の恋人達とは、褥を共にして時間も忘れて激しく愛を交わしました。
食べる必要も、寝る必要も疲れる事のない、女同士の愛の行為は甘美で生者には決して経験出来ないモノです。
ワタクシと恋人達の愛の行為は幾日も及ぶ事もありました。
甘美な日々が溺れる日々が続きました。
ダンジョンは拡張を続けましたが、歪んだ空間の一部が別のダンジョン『不死辺境伯の城』に繋がり不死辺境伯との交流が始まりました。
不死辺境伯に師事したワタクシは、アンテッドして最終進化しました。
『リッチロード』として神の領域に片足を踏み入れたのです。
※ ※ ※
一時は乱心していたワタクシですが、今は正気ですよ。
死の淵から蘇生し人外のモンスター、アンテッドして覚醒した時点で正気と言えるのか・・・疑問ですが。
リッチは、熟練した魔法使いや高位の神官や巫女が邪法を用いて行きながらアンテッドとなる人外の存在のらしいですね。
不死辺境伯によると、ワタクシの様に下級アンテッドから進化を繰返して最上級アンテッド『リッチロード』に至るのは例が無いとの事。
『リッチロード』迄、進化できたのはワタクシに魔法の才があるのが原因では無いか。
わが師、『不死辺境伯』の意見です。
不死辺境伯は、魔法の師匠であり友人ですが、身体の関係はありません。
ワタクシは同性しか愛する事が出来ません。
不死辺境伯は無類の女好きですが彼には多数の美女・美少女アンテッドが、側女兼愛人として仕えています。
不死辺境伯には、ワタクシに執着する理由が無いのです。
※ ※ ※
ワタクシの独白手記を読んで読者の皆さんで、ワタクシが迷宮主を務める『亡国の王女の洞窟』に是日、お越しください。
歓迎しますよ。
多くの国々や都市国家で囁かれている噂では、リッチが迷宮主を務めるダンジヨンで、主であるリッチに出会うと生きて帰れないと。
最悪最凶のモンスターだと。
ご安心ください。
他の迷宮主は知りませんがワタクシは、下々の事には興味は無いので、理由も無くダンジョンへの侵入者を襲い、殺害する事はありませんので。
『亡国の王女の洞窟』で、放浪の民ロミールの踊子の様に露出度多いドレスを纏った金髪碧眼、プロポーションの良い美少女を見掛けたら、其の美少女がワタクシです。
ワタクシ自身は我がダンジョン『亡国の王女の洞窟』への訪問者に危害を加える事はありません。
しかし、生者の方はワタクシに接触するにはご注意ください。
身に着けている装身具全てはワタクシが、収集した呪いの装身具なので。
呪いの装身具の呪いはワタクシ自身や配下のアンテッド達には影響はありません。
生者には、一目見るだけで呪い殺される強力な呪いの装身具もありますが、ご安心ください。
ワタクシが、蘇生さしてあげますから。
アンテッドして。
男性なら下級アンテッドのゾンビやスケルトンとして。
女性ならワタクシの上級・中級アンテッドとして侍女、恋人して仕える事になります。
繰り返しになりますが、是非に我がダンジヨン『亡国の王女の洞窟』にお越しください。
探索者パーティ以外の方も歓迎しすよ。
特にワタクシのお眼鏡に叶った美女・美少女達は・・・
永遠の若さと甘美な快楽に溺れる日々を楽しみましょう。
『亡国の王女の洞窟』の迷宮主、不死王女。
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不死王女が生前に暮らしていた王国は、約300年前に、エリナ―ル帝国との戦争で滅亡したフルア王国と思われす。
スーミル書店編集部。
誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。
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