真宙の運命やいかに
僕らは、産まれてから今までに何をして来ただろうか。
日本という恵まれた環境に産まれた。
幼少期は家族、施設、どこかで守られて生きて来た。
大人になって、何の為に生きているのか、人生とは何なのかわからないまま過ごしてはいないだろうか。
誰かの為、子ども達を守る為、いつしか後世の為に生きようとはしていないか。
明日世界が終わる、そんな脅威が今まであっただろうか。
その脅威は突然訪れた。
「あぁ、なんだこれ。計画書?なんて書いてあるんだ...。」
新宿西口を歩いていた真宙は、分厚い一冊の書物を拾った。
その書物には見たことのない言語と絵が書かれていた。
「数字...、これは人間?奇妙な形だな。」
2024.2.4.2.42.42という数字と、
宇宙人と思われる集団が地球を滅ぼしに来て、人間が抹消される絵が描かれていた。
「誰かが書いたフィクションか、くだらない。」
そう思い書物を地面に置いた瞬間、目の前に描かれていた宇宙人が現れた。
宇宙人は真宙を殺そうとしていた。
明らかな殺意だった。
しかし、真宙が宇宙人を見た瞬間、宇宙人は苦しんでその場に倒れた。
消滅した。
書物だけが残った。
「何だこれ...本当にいるのか...?2024年2月4日、人類は消されようとしているのではないか...。」
まずは警察か、誰かに伝えなければ。
「すみません、さっきそこでこれを拾って、そしたら宇宙人が現れて殺されそうになったんです!でも、僕が宇宙人を見たら倒れて消滅しました、このままでは人類が滅亡して...」
真宙が書物を渡そうとしながら話していると、
「そんなこと起こる訳ないだろう。作り話か?俺達も暇じゃないんだ、気をつけて帰りな。」
警察は冷たかった。
真宙は家に帰り、すぐさま両親に伝えた。
が、相手にされる事はなかった。
大人達は冷たかった。
その夜、宇宙人が再びやって来た。
真宙が宇宙人の襲来に気付くよりも前に、両親と新宿の人達は消されていた。
真宙だけは謎のバリアで守られていた。
「宇宙人?どゆ事??」
真宙が目覚めると、周りには多数の宇宙人がいた。
が、見た宇宙人は消滅した。
彼は動く事ができず、しばらくベッドの上でバリアに守られながら、やって来ては消滅していく宇宙人を見た。
しばらくして、宇宙人は来なくなった。
「くそ...みんな大丈夫だろうか?何が起きてるんだ!」
真宙は、これは夢だと思うと同時に、もし現実であれば部屋の外の光景を見るのが怖くなった。
そしてまた眠った。