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社交界なんて嫌い

 ぐうたらな私は社交が苦手だ。


 貴族なんてろくなもんじゃない。


 母は夜会は女の戦場だと言う。煌びやかなドレスは戦闘服らしい。


 とくに我が家門は筆頭公爵家、なめられてはいけない。侮られてはいけない。隙を見せてはいけないと耳にタコができるほど聞かされた。


「ヴィヴィ、デビュタントは逃げられないわよ」


 母はニヤリと笑いながらそう言う。


 デビュタントは国王陛下主催の夜会。私と同じ15歳が一同に社交界にデビューする。

 前世の日本で言うなら成人式みたいなものかな。

 みんな白の襟なし、袖なしのドレスを着る。手には長い手袋。

 それを守れば後のデザインは個々の自由らしい。


 母はかなり前から張り切って仲良しのデザイナーや商会を呼び、あーでもないこーでもないと言いながら私のドレスを作ったり、アクセサリーを買ったりしている。

 私はドレスやアクセサリーには全く興味がないので母に丸投げしている。


 デビュタントは最初に私たちがダンスを踊る。

 私は婚約者もいないので父か叔父と踊る予定だ。


 国王陛下と王妃様に挨拶をし、一曲踊ったらさっさと帰りたい。

 ダンスは好きだけど知らない男の人と踊るのは嫌だし、また体調が悪くなったとか病弱なフリをして逃げようと思っている。



「ヴィヴィ、デビュタント楽しみだな。兄上とではなく私と踊ろう」


 フィル兄様が言う。フィル兄様は父の一番下の弟で王太子殿下の側近だ。まだ結婚していないので、我が家に一緒に住んでいる。


「だめだだめだ。ヴィヴィは私と踊る。お前はアイザック殿下の側近なんだから殿下の側にいなくてはならないだろう」


 父は一人娘の私を溺愛しているのでなかなかフィル兄様にエスコートの役を譲りそうもない。


 みんなで食事をとりながらそんな話をしている我が家は平和だなぁと思う。


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