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転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかなりたくない  作者: 金峯蓮華


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出会い(アイザック視点)

2回ほどアイザック視点になります。

周りから幼女趣味かと疑われている残念な王太子殿下の回想です。

「という訳で、ヴィヴィからはもう、手紙も届けないでほしいと言われました」


 いつものように公務の為、王宮に来ていたフィルに言われた。

フィル・シュラットは私の側近で愛するヴィーことヴィヴィアンヌ・シュラット公爵令嬢の叔父である。

ヴィーの父親は我が父の側近、フィルの兄である。



 今から7年前、フィルが怪我をし、自宅で療養していた時に見舞いに行き、そこでヴィーに出会った。

 ガゼボで本を読んでいたその姿はまるで妖精? 女神? そう思ってしまうくらい美しかった。

 しかし、我が国はその妖精位の年齢の女性は居ないはず。

 呪いか何か知らないが、私の生まれる2年前から10年間我が国の貴族の間には女児は生まれなかった。


 私は歩きながら、フィルの部屋まで案内してくれている使用人に聞いてみた。


「あれは誰だ?」


「ヴィヴィアンヌお嬢様です。お嬢様はお身体が丈夫でないのであまり外出なさらず、お屋敷の中で本を読んだり、刺繍をしたりされております。中庭のガゼボがお気に入りのようでよくあそこにいらっしゃいます」


 そう言えば、公爵には体が弱くあまり表に出ないと噂の令嬢がいたな。


 魔の10年は誰も生まれていないと思っていたが、公爵のうちには令嬢が生まれていて、それを隠していたのか?

 妖精令嬢は多分12歳か13歳くらいだろう。私より5歳くらい年下か。公爵令嬢であれば身分も問題ない。とりあえずフィルに聞いてから、父に婚約の打診をしてもらおう。


 私は優雅にお茶を飲みながら美しく微笑み、本をめくっているその令嬢の姿に心を奪われてしまった。


「フィル、先程ガゼボで本を読んでいる令嬢を見たのだがな」

 私は足に怪我をした為に自室で療養しているフィルにそれとなく話をふった。


「あ〜、ヴィヴィでしょう。ヴィヴィアンヌ、姪です。よくガゼボで本を読んだり、刺繍をしたりしてますよ」

 やっぱりそうか。公爵令嬢で間違いないようだ。


「ヴィヴィアンヌ嬢には婚約者はいるのか?」

 私が核心に触れだすとフィルはケラケラ笑った。


「婚約者ですか? いませんよ。まだ子供です」

 子供? 


「ヴィヴィアンヌ嬢はいくつだ?」

「8歳ですよ」

「8歳!」


 驚きの余り大きな声を出してしまった。

フィルはまだケラケラ笑っている。


「ヴィヴィは大人っぽく見えるから12、3歳位と思われたんですか? その年齢の 女性は我が国にはおりませんよ」


「隠しているのでは?」


「何の目的で隠すのですか? 貴族名簿を調べればすぐわかります」


 それもそうだ。8歳か。10歳も離れているな。18歳と8歳ではさすがにマズイ気がするが、貴族には10歳位歳の離れた夫婦など五万といる。やはりヴィヴィアンヌ嬢がいい。


「フィル、私はヴィヴィアンヌ嬢と結婚したいと思う」

「え〜!」

 フィルは驚いたようで大声を上げた。


「殿下、ヴィヴィはまだ8歳ですよ。殿下は幼女趣味だったんですか?」

「馬鹿者! 誰が幼女趣味だ! ヴィヴィアンヌ嬢だからだ。とりあえず帰ったら父上と公爵に話をする。お前もこい!」

 私は怪我をして歩く事もままならないフィルを担いで王宮に戻り父に会った。



「アイザック、火急の用とは何だ?」

 王宮に戻るとすぐこの国の国王である父の執務室に向かった。ちょうど公爵もいたので話は早い。


「御目通りありがとうございます。実は結婚をお許しいただきたいのです」


「「結婚!」」

 父も公爵も驚いている。


「相手はどこの令嬢だ」

 父が口を開く。


「シュラット公爵令嬢です」

「?」

 私がそう言うとヴィヴィアンヌ嬢の父である公爵は固まった。


「公爵の娘か。しかし、公爵の娘はまだ幼かったのではないか?」

 父は公爵に尋ねた。


「はい、まだ8歳です」

「アイザック、其方は幼女趣味だったのか?」

 公爵の返事を受け、父までそんな事を言う。


「幼女趣味ではありません。ヴィヴィアンヌ嬢だからです! 筆頭公爵令嬢であれば何の問題もないはずです。よろしいですね」

 私は父と公爵に詰め寄った。


「私はヴィヴィアンヌから殿下の話を聞いたことがありません。ヴィヴィアンヌはこの事を承知しているのですか?」

 公爵が私に問う。


「いや、ヴィヴィアンヌ嬢とは今日、初めて会った。この事はヴィヴィアンヌ嬢は何も知らない」

 私がそう言うと父は大きなため息をついた。


「そうか。ヴィヴィアンヌ嬢はまだ8歳だ。其方の勘違いの可能性もある。ヴィヴィアンヌ嬢が15歳になりデビュタントを迎えた時に、まだ其方の気持ちが変わらなかったらその時に婚約の話をしようではないか」

 父はそう言い、公爵が頷いた。それで異存はないようだ。父はまだ話を続ける。


「それまでに其方に好きな人ができ、婚約した場合、この話はなかったことにする。公爵もデビュタントまではヴィヴィアンヌ嬢を誰とも婚約させないでほしい。そして其方もそれまではヴィヴィアンヌ嬢に直接、接触はしないと約束をしなさい」

 直接、接触してはいけない? 何故だ。


「父上、なぜ直接接触してはいけないのですか」

 私は父に尋ねた。


「ヴィヴィアンヌ嬢はまだ8歳だ。直接会って其方に洗脳されては困るからな。ちゃんと自分の意思で答えを出せるまでは駄目だ」

 そんな。


「では、手紙はどうですか? 直接接触はしません。フィルを介して手紙のやりとりをお許しいただけないでしょうか」

私は咄嗟に手紙と言っていた。


「手紙か。そうだな、内容は結婚に関してのことは一切書かない。色恋話は書かない。王太子の身分を明かさない。

それをのむなら手紙のやりとりは許そう。ただし、ヴィヴィアンヌ嬢が嫌だと言えばそれまでだ。諦めろ」

 

 早速、フィルに読書好きの友達がいるが事情があってあまり外に出られないので、話す相手がなく寂しい思いをしている。手紙のやりとりをしてもらえないかとヴィーに話をしてもらい、無事手紙のやりとりをすることになった。


アイザック視点、もう少し続きます。

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