九日目 諦めるな、俺。
今できているページ数は、7ページ
残り日数は30日。〆切まで一ヶ月を切っている。
今のペースだったら、きっと描き終わらない。
だが、だからと言って、途中で投げ出す訳にはいかない。途中で諦める訳にはいかない。夢なんて誰だって見ることが出来る。努力もやろうと思えば、誰だってやった気にはなれるものだ。
俺は途中でゲームをしていた。
結局として、進まない日があった。
俺は努力をしていなかった。
才能がないから、思いつかないからと理由を言った。
それは、たぶん逃げたかったからだ。
俺には時間がある。時間だけはある。他の連中よりも作業に当てられる時間はいくらでもある。今だに創作という作業は好きになれないが、このままでは俺は何者でもないまま努力すらできないまま終わる。
夢をみる事は、誰にだってできる。
だったら、泡沫でも夢を見ていたい。
生きていたって仕方がない。
苦しくて辛いだけなら生きている意味なんてない。だから、楽しい事やしてみたい事に目を向ける事にした。ニートになった時点で棺桶に片足突っ込んだような物なのだ。
俺は賞金を掻っ攫うんだ。
そんで書籍ヒットさせて、その金で遊ぶんだ。
ゲーム作ってみたい。漫画を書いてみたい。イラストを好きなように描けるようになってみたい。映画なんて面白そうだ。何なら自作でアニメを作るのを目指したっていい。教師になって生徒に金をばら撒きたい。
何にするったって金が欲しい。
才能なんてない。
アホみたいな想像力しかない。
俺よりも面白かったり努力している人を知っている。けど、俺が望むような世界を描いている人はいないから、俺でも出来るんじゃないかって何処か期待している自分がいる。そんな期待を捨てきれないから、今更の事実に目を背けたくなる。
俺には才能がない。
才能がないから、努力するべきだ。
誰も今の俺に、期待などしていない。
当然だ。歌わない歌手に価値はない。漫画を描かない漫画家に価値はない。俺もまた何もしないままなら価値はない。価値がないものに金を払う者はいない。
思ってる事を文章で表現してスッキリしてしまうようだから、やはり俺には才能はない。才能がないから、考えなければならない。行動しなければならない。
ドロドロと形を取らない感情にイライラする。そして、時には死んだように形を取らない感情の時もある。それもまた腹立たしい。
支離滅裂な文章だ。
だが、紛れもない本音だ。
諦めるな、俺。
とりあえず、書き続けろ、俺。
逃げたって、その先には何もない。




