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超極大火竜砲

 炎の柱だ。柱がキメゴンを燃やして溶かす。キメゴンの悲鳴すら焼いているのか、オトマトペでは表せない焼却音が耳を覆う。


 燃え上がるキメゴンと空気と塩。目を凝らすと地面の塩らが解けている様子が観察できた。


 塩化ナトリウムの融点は約800度。いや煙を観察できるので沸点の約1400度を越えているだろうか? あの炎は。


「⋯⋯というかコレいつまで発動したままなんだ?」


 この魔法、(ちょう)(アルティメット)大火竜砲(だいかりゅうほう)の終了カウントダウンとかは特になかった。炎の柱が立ち続ける。


 そして、焼かれたキメゴンが完全に溶け終わった瞬間、おさまった。


 馬鹿みたいに五月蠅い焼却音を聞き続けていたせいか、しばらく世界に音を感じられなかった。


 場を確認するとキメゴンたちが俺を見ていた。


 相変わらずの良く分からない、眼球棒を出しながらを見つめている。少し時がたてばそこからレーザービームが生み出され、俺が滅びるのだろう。


 なら、さっさと燃やそう。詠唱(コマンド)を行う。


「《火の聖霊よ、わが身に火竜を越えし力を宿し、怨敵らめを打ち滅ぼし、灰すらも燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ! 燃やし尽くせ!》」


 さっさと片付けて、昭子に会うんだ。






 ◇◆◇◆◇






 案外簡単に終わるものだと思った。


 場は地獄の様に混沌としていた。俺の魔法、(ちょう)(アルティメット)大火竜砲(だいかりゅうほう)をドンドン打ちまくったため地面が残らず溶けた。もはや火山口の中に居るみたいな光景だ。


 キメゴンたちも死んだ。残りカスすら燃え尽きた。一回魔法を打つのに少し時間がかかるため、何度かレーザービームを打たれたもの、俺は無傷だった。




``````````````````````````````````````````


【管理者テスター用ステータス】


 LV:255 EXP/NEXT:255/255


 HP:255% MP:255%


 STR:255 DEX:255


 AGI:255 VIT:255


 INT:255 CHA:255


``````````````````````````````````````````




 ステータス的な物は一切変動していなかった。もしかしたらデバック用の無敵モードか何かなんだろうか。だとしたら前に何で蝙蝠熊のパラライズには引っかかってしまったのだろうか? ⋯⋯まぁどうでも良い。とにかく俺は傷つくことは一切なかった。


 そういえば昭子は、俺に何かないように何時も守っていた。そのせいか俺は危険な目にあっても傷つくことは一切なかった気がする。


 もし傷つくようなことがあったら、俺はこの不思議な現象について早期に知れたかもしれないな。なんてことを思い、同時に昭子には無意味な守りを常にさせていて申し訳ないなと感じた。


 昭子を探す。


 目で見てもまるで分らない。塩の溶岩が流れるのが見えるだけだ。もしかしたら昭子を(ちょう)(アルティメット)大火竜砲(だいかりゅうほう)に巻き込んでしまったかと脳裏に浮かぶ。


 ナノマシンを呼び出す。昭子のシグナルがあるか探すが、何もない。


 とにかく探す。塩のマグマの上を歩いて、いや走って探す。


 両足に履いていた簡易草鞋はとっくに溶けて無くなる。服ですら周りの温度によって燃えて無くなる。だが裸になっても気にせずに探す。


 温度は何度になっているのかわ分からないが、視界が熱で歪んでいる。視界が悪い。


「――昭子!」


 まず、気づいてもらうのが大切だと思い、名前を叫ぶ。


 だがそれ以上にマグマが奏でる謎のボコボコ音が響いており、俺の声はかき消される。


 探せど探せど、見つからない。


 だが、探すしかない。というか俺には探すしかありえない。探さないという選択肢は無い。


 昭子はとても頼りになった。彼女がいなければ俺はここで餓死していただろうと、暇で暇で苦しい事になったと、孤独で心が壊れていたと感じられる。


 つまりこのまま昭子がいなくなると俺の生活が困る。⋯⋯だけが理由ではない。


 俺は昭子の事が好きだ。いやラブではなくライクな感じだが、そんな昭子を失うなんて嫌だ。


 この先どうすれば良いのかを討論した記憶がよみがえる。背負ってくれた記憶がよみがえる。作ってくれたものを食べさせてくれた記憶がよみがえる。赤ちゃん扱いしてきた昭子の姿がよみが⋯⋯これは記憶の奥深くに封印しようそうしよう。


 とにかく、俺は探し続ける。


 急に空から太陽が無くなる。代わりに月が現れるもう慣れた夜の訪れ。視界はマグマが明るすぎて特に不調は無かった。


 お腹が減ってきたタイミングで、昭子がもし生きていたらの事を考えた。いや生きているはずだ。そう、生きているなら今どうしているんだ?


 まずこのマグマの中には居なそうだと考え、マグマから脱出すべく歩いた。


 俺が放った魔法は、かなりの範囲を燃やし尽くしていたらしく、どこまでマグマが覆っているのかが分からない。だったら歩き続けるしか脱出する手段はないんだ。


 空腹をずっと抱え、眠気が襲い、月が太陽に変貌した時、俺はマグマ地帯から脱出でき、


『――翔ちゃん!』


 瞬間、昭子に抱きしめられた。

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