許されない
ちょっと古臭くて辛気臭いかもですが……よろしくお願いします
振られた顛末を友達に話して
「あなたは私といたいの、いたくないのどっちなの、って私なら聞く」と
そんな強気なことは言えない ずいぶん自信があるのねとため息
なにもかもが下手くそで冴えない容姿の私に
そんな自己肯定的な台詞を別れ際に口に出す勇気はない
それから10年の月日が経って
「君も僕も、もっといい人が現れるかもしれないだろう」彼の最後の台詞
もっといい人、という言葉が胸の奥に刺さって
いまだに取れないままとうとう独りで初老を迎えてます
頬の肉が雪崩のように下垂し
「お前顔の筋肉が弱いから歳をとるともっと垂れてくる」と医師の診断が
25年経ち更に耳に残って鏡に映る自分が悲しく
あなたに捨てられて意気消沈して下を向いたまま生きて
そんな陰気臭い女誰が好むの
「顔が綺麗なのに結婚してないなんて性格が悪いの」小説教室の大学生が
鼻の段を削り小鼻を縮小して鼻の先を尖らせた
綺麗になれば誰かが一緒に生きてくれるなんて夢を見て
読んでくださりありがとうございました