魔法学校編7
やることが多すぎると時間は早く流れる。
学園祭までの二か月間、年少クラスでどれだけそんな言葉が交わされたかしれないし、もちろんカーラもその例に漏れない。
衣装の修繕は結局学園祭当日の日付をまたぐまで終わらなかった。久しぶりの衣装づくりにテンションの上がったカーラが、時間の余裕があるとみれば新しい作業を追加し続けたのだから当然の帰結ではある。ほつれている個所の修理だけでなくレースを追加したり刺繍を施したり、手を尽くした結果出来上がった衣装は年少クラスの手作りというには規格外に本格的なものになってしまったが、寮の自室ですべての作業を終えたカーラは満足げに自分の作品たちを見下ろした。
窓の外を見ればもう明け方である。本番は午後からで、衣装係であるカーラは衣装を役者に渡せばもう他に仕事はない。やりとげたという達成感と、積もり積もった睡眠不足による倦怠感でカーラは意識を失うようにベッドに倒れ込み、そのまま眠ってしまった。本番は午後からだ。みんなが衣装に着替えるまでに起きればいい。ぼんやりとそう思ったまでは記憶がある。
こつんという音がした気がして目を開けた。
眠った記憶なんて微塵もないのに、窓から差し込む日の光はもうずいぶんと高くなっている。向かいにあるシスルのベッドは空だ。物音ひとつ聞こえなかったが、いつの間に外出したのだろう。
――何時かしら。
そう思ってカーラが壁掛け時計を見ようとする前に、もう一度こつんという音がした。
その音は窓から聞こえる。
訝しんだカーラが外を見ると、相変わらずローブ姿のカロルドがにこやかに手を振っている。
カーラの部屋は女子寮の三階である。なんでこの部屋を彼が知っているのだろう。
「ははうえー、学園祭行かねーのかー」
口に片手を添えて、声を張り上げてカロルドが言う。
カーラは自分がまだ寝巻き姿であることも忘れて、負けじと声を張り上げた。
「なんで私の部屋知ってるのー?」
「ニコラに聞いた。降りてこいよ、見物にいこうぜ」
まだ眠い。ほぼ徹夜だったし体がだるい。本番まではしばらく時間もあるから、もうひと眠りできない訳じゃない。
けれど喧騒を伴った祭りの気配はこの女子寮まで漂ってきていて、窓を開ければそれはさらに明瞭になった。それを感じてしまえば、このまま寝直すのはひどくもったいないように思える。だってこの学校に来て初めての学園祭なのだ。自分たちの出し物の準備に追われていて、他の生徒たちがどんなことをするのかほとんどわからないまま当日を迎えてしまった。
だから学園祭が実際にはどんなものなのか気になる。
すごく気になる。
「今行くからちょっと待ってて!」
カロルドにそう伝えて窓から乗り出した身を戻そうとした途端、追い打ちをかけるように後ろから声をかけられた。
「ねぐせ直してから来いよ、ちょっとひどいぞ」
カーラはその言葉を聞いて逃げ出すように身を隠して鏡を確認した。
――ほんとだ。っていうか、顔半分隠してるのにほんとによく見えてるわね……
茶色の髪があっちこっちへ跳ねていて、しかも寝間着も乱れている。こんな格好で人前に出たなんて姉たちに知られたら三日は小言をねちねちと言われてしまうに違いない。
釈然としない気持ちで身だしなみを整え、いつもの制服に着替えて外に出る。
いい天気だった。ほぼ徹夜の目には染みる日差しが、学園を照らしている。
いつも賑やかな学校だが、今日ばかりは趣が違う。何より、生徒や教師以外の人にも開放されるイベントなので人がいつもより段違いに多い。走り回る見覚えのない子どもたちは、この学校で学んでいる誰かのきょうだいなのだろうか。
カロルドと連れ立って校舎に入ると、あの手この手で客引きされた。生徒たちにとっては一番自分たちの勉学の成果を発表できる日だ。特に高等部の生徒たちにとっては、実力を世間にアピールするための重要な場であるらしい。学園祭とは魔術師の国家資格をとるための実技試験の一環である、という噂もあるくらいで、だから高等部の生徒たちは自分の進路を勝ち取るために全力でこの祭りに挑んでいる。
そんなわけだから、と言うべきか、高等部の生徒たちによる模擬店が一番盛況だった。中でも魔法を使った軽食や雑貨を扱った店が多いことをカーラが不思議に思っていると、魔法技術の研究にも流行りや廃りがあって、最近は魔力を用いた生活用品の開発が注目されている分野であるという話をカロルドが教えてくれた。
魔法を使って作られた軽食ももちろん魅力的だ。だけど他にも、魔力で動く機織り機がある。魔力を編み込んで作られた虹色に輝く刺繍糸がある。
本番で使う衣装を袋に詰め込んで抱えたまま、カーラはもう夢中だった。カロルドの手を引っ張りまわし、あっちへこっちへ見物に回ろうとするのを、それ以上に強い力で押しとどめられてカーラはなんとか正気に返る。
「おいおい、自分たちの出し物をほったらかすなよ。衣装を届けに行くんだろ?」
そう言うとカロルドは、猫の首を掴んで運ぶようにカーラを講堂まで連れていった。
不満げな声を漏らすカーラに、カロルドは言う。
「見物は、仕事を全部終えてからすればいい」
しかし講堂の出演者入口の方までたどり着くと、そこは騒然としていた。誰も彼もが大きな声を出して何事か言い争っている。
誰かに何かあったのかもしれない。そんな可能性に思い至ってカーラは何があったのか質問しようとするが、忙しそうに走り回る生徒たちに話しかける隙が無い。
すると、カーラに気づいた同級生の一人、小道具係の女子生徒が走り寄ってきてカーラに告げた。
「カーラちゃん! カロルドくん! たいへん、大変なの!」
「何があったの?」
「リックが、リックがね」
リックとはカーラの同級生で、今日の劇の主役を演じる男子生徒である。
「風邪引いちゃったみたいなの!」
「ええ!?」
彼女の話は混乱のためかまとまりに欠けていた。
それでもカーラが根気強く聞き出して整理したところによると、どうやらこういうことらしい。
今日、役者を務める生徒は早朝からリハーサルのために集合する予定だったが、いつまでたってもリックが来ない。不審に思ったシスルやニコラたちが男子寮の寮長に頼んで部屋を確認してもらうと、リックはベッドからずり落ちて唸っていた。寮長が慌てて抱き起すとひどい高熱で意識ももうろうとしていて、今は医務室で横になっているという。
リックには気の毒だが、これは大変困ったことだとカーラも理解した。
所詮学園祭で披露する演劇だ。いざというときのための代役なんてもちろん用意していない。クラスの全員に仕事が割り振られているのだから、体が空いている人間がいない。強いて言うなら当日までの仕事しかないカーラのような衣装係や小道具係はいるが、主役であるリックの代役なんてとても勤まらない。
「ど、どうしよう!」
「お、おちついて。ルロワ先生は? なんて言ってるの?」
非常事態だ。落ち着いて、年上としての貫禄を出して、みんなの支えにならないと。
そう思うのに、彼女の混乱が自分にまで伝染しているのをカーラは感じる。彼女の冷えた手をとって、二人でしばらく深呼吸を繰り返すことでなんとか落ち着きを取り戻すと、小道具係の少女はカロルドに目を向けた。
「あのね……カロルドくん、リックの代役をお願いできないかって、みんなが」
「えー!?」
深呼吸の効果か落ち着いた彼女の声とは反対に、廊下の端まで響く声でカーラが聞き返したが、お祭り騒ぎの校内のことである。何かあったかと集まった注目は、あっという間に四散していく。
確かにカロルドはずっと年少クラスの学園祭準備を、手伝っていたわけではないが、見守っていた。特にシスルたち役者班にはずっとくっついてあれこれ口出ししている様子もあった。始祖役のリックと同じ歌を歌っているのを見たこともある。上演する音楽劇はこの国では古典のようなものだ。八百年をこの国で生きてきたカロルドなら、おそらくセリフも楽譜も頭の中に入っている。
リックの代役はまさしく、カロルド以外にいないのかもしれない。
しかし。
「だって、カロルドよ。クラスメイトですらないじゃない!」
いくらなんでもそれはないとカーラは思う。カロルドが代役なんで、ダメな理由なんてありすぎて考えが全然まとまらない。それでもカーラは提案してきた彼女に反論しようとするが、カーラが次の言葉を発する前に、カロルドはなんてことなく言った。
まるで、そうなることを予定していたみたいにスムーズな返答だとカーラは思った。
「いいぜ」
「いいの!?」
なんだか今日は大きな声を出してばっかりだ。それでも今日一番の驚きをもって、カーラはカロルドを問いただす視線を向ける。しかし小道具係の生徒は、心配事が吹き飛んですっきりした笑顔を向けて、カロルドに頭を下げた。
「ありがとう、カロルドくん! みんなー、カロルドくんが引き受けてくれるって!」
途端に後ろでざわざわしていたクラスメイトたちの歓声が上がる。どう見ても賛成多数。カーラの反対意見は、数で圧殺されてしまう。
空いた口がふさがらない。本当にそれでいいのか。いや、いいはずがない。こちらに注目したクラスのみんなに反対するために援護射撃を求めてルロワを探しても、彼だけがどこにも見当たらない。
状況は、カーラのくすぶる思いを取り残してどんどん進んでしまう。すっかりその気になった小道具係の生徒はカーラが渡した衣装袋からリック用の衣装だけを取り出し、もう一度カーラに持たせた。
「カーラちゃん、衣装合わせお願い。だけど控え室は他の出し物の生徒もいて、今すっごい混んでるから作業スペースがないの。空き教室かどこか、人気のないところで着替えて講堂に集合ね!」
それだけ言って小道具係の生徒が嵐のように去ると、カーラは途方に暮れてしまった。
「そんなこと言ったって……」
リックの衣装は八百年前の始祖が着ていたという設定の服だ。一番目立つのはマントだが、それくらいなら多少丈が短くても舞台の外から見る分には目立たない、かもしれない。ただし、リックは十三歳だ。カロルドとは身長がだいぶ違う。今の正装のようにタキシードというわけではないにしろ、衣装の寸法が合うはずはないし、今更できることなんて限られている。というか、本当にみんなカロルドを舞台に上げる気なのか。
「どうすればいいのよ……」
「あー、義母上。親父の研究室に行けば、それっぽい衣装の一つや二つくらいあるかもしれないぞ」
まるでとっておきの秘密を教えるみたいに耳元でささやかれた言葉に、カーラは反応した。
「ソロ、今日はどうしてるの?」
「いつもと変わらないよ。あの部屋にこもってる。今日は魔力を変動させると学園祭に悪影響が出かねないからっておとなしくしてるけどな」
ソロならきっと、止めてくれるし知恵を貸してくれるに違いない。
そうと決まれば善は急げと言わんばかりに、カーラはカロルドを引っ張るようにしてソロの研究室に向かった。
いつも以上に人気がなくひっそりとした研究棟を走り抜け、扉を叩いてから中に入ると、いつもの机に座って本を読んでいたソロが顔を上げた。今日はしっかりと起きていたようだ。
「おかえり、カロルド。おや、カーラも一緒だったのか」
「親父、俺劇に出ることになったから」
一度本に戻された視線が戻ってくる。ちょっとよく聞き取れなかった、とでも言いたげにソロは問い返してきた。
「どういうことかな?」
「急病の代役だよ。なんか使えそうな服を貸してくれ」
「それは、構わないけれど……」
「ソロまで! 反対じゃないの?」
「反対もなにも……一体何を始めるんだい?」
カーラが説明しようとすると、カロルドはカーラの背を押して行動を急かしながらこう言った。
「ほらほら、時間はないぞ。話は作業しながらにしろ」
研究室の端にほこりをかぶった衣装箱があるのはカーラも知っていた。それをカロルドと一緒になってひっくり返すと、中から出てきたのは一体いつから置きっぱなしになっているのかわからない、古い形の洋服である。なんでそんなものがここにあるのか、疑問なんて後に回して掘り返すうちに、なんとか舞台映えしそうな衣装を見つけ出すことに成功してカロルドに渡すと、カロルドは心得た顔をして衝立の陰に隠れた。着替えるのだろう。
それにしても、衣装箱の中身が『当時の物』だとしたら、これらは本物のアンティークだ。一体いつから保存されているのかわからない衣装箱の中身は、しかし虫食いやほころびなどは一切なかった。なんらかの魔法を施しているのかもしれないとカーラは思う。
その様子を首をかしげて見守っていたソロは、カロルドが着替えている間に、カーラに説明を求めてきた。
本当に久しぶりなのに。全然落ち着いて話せなんてしないことがひどくもどかしい。
「なるほど、つまりカロルドは、僕の役を演じるのか。よく受ける気になったね?」
カーラの説明を聞いた後、心底意外だ、というようにソロは目を見開いた。「まあなー」なんてのんきな答えが衝立の向こうから帰ってくる。この様子を見れば、ソロも反対しないことはカーラにもわかった。
――いいのかなあ……?
ソロが反対しないなら、カーラも反対する理由を失ってしまう。ダメだろう、と思う自分の感覚こそ特殊なんだろうか。カロルドが舞台に上がるなんて、なんだか嫌な予感しかしないカーラは憮然とした気持ちでそう考える。
衝立から出てきたカロルドは若干つんつるてんだったが、衣装の構造を見ると直せなくはなさそうだった。カーラはこうなったらとことんやってやる、と思考を切り替えてベルトの位置を合わせ、裾の部分をひもといて丈の調整を始めた。
集中しだした耳に、ソロとカロルドの会話だけが聞こえる。
「いいか、親父。観には来るな。絶対」
「いや……観たい。ぜひ観たいな。息子の貴重な晴れ舞台だよ、興味のない父親なんていない」
「来たら絶交する。魔法を使って遠隔視しても絶交する」
「う……」
目の前で繰り広げられる思春期の子供とその親のような会話に、カーラは思わず吹き出してしまった。
不満げな顔をしているカロルドにごめんなさい、と謝りながらカーラは言う。
「二人とも、八百年生きたなんて思えないわ。まるで年頃の子どもとお父さんみたい。精神年齢が若いのかしら?」
「……嫌味かよ。だけど正解だな。実際、人間は肉体が若いままならそれほど精神は変化しない。精神が肉体の影響を受けずに成長するのはせいぜい二十歳くらいまでだ。それ以降の『成熟』ってやつは自分に『できないことがある』ってことを理解して他人の存在を受け容れないと始まらない。だけど、老化が始まらなければ『できないこと』を受け容れていく必要なんてない。だから俺たちは、精神年齢ってやつは成長が止まった時からさほど変化してないだろうな」
カロルドのそんな言葉に、ソロは「そうかなあ」と意味ありげな視線を送ってよこした。
「人間、いくつになっても成長は続くものだよ。僕は結構、きみは変わったんじゃないかと思うけどなあ。特にここ最近は、いい変化があったみたいだし。……カーラとは、いい関係を築けているようで何よりだね」
ソロの視線は、カーラとカロルドを面白がるように捉えている。息子とそのガールフレンドを見るような生暖かい視線は居心地が悪い。もっと言えば、不快ですらあった。ソロにとって自分は、息子の友達、くらいの位置付けなんだろうか。
そんな考えを思考の端によせて、むう、と口を尖らせると、カーラは自分の作業に戻った。
そうして衣装を整え終えると、カロルドはそれまで着ていたローブを長椅子に置いて、ソロが普段使っている仮面を手に取った。
「え、それ持っていくの?」
「ホンモノの始祖が使ってる仮面だぜ、みんな喜ぶだろ。なあ、親父。封印布を外してくれ、さすがに不自然だ」
「……いいよ」
カーラが見ている前でソロはあんまりにもあっけなく封印布を外し、カロルドは仮面をつけて、ソロの隣に並んだ。そうすると、髪の色は違うがまるでソロが二人いるみたいだ。
「いいか、親父。もう一度言っとくけど、絶対観にはくるな。わかったか?」
「はいはい」
ソロの返事は、誰がどう聞いたって生返事だった。きっとソロは観に行くだろうとカーラでも思う。
けれどそんなソロの様子を気にした様子もなく、カロルドはそのまま、すぐ目の前にいたカーラを抱き寄せた。
そして仮面越しに、瞳を覗き込まれる。布で隠されている間は決して見えなかった、透明度の高い青い瞳。ソロとは真逆の、氷のような冷たい印象を受ける宝石眼。
急に近づいた距離感に驚いて、身動きできないそのままに、カロルドの顔が近づいてくるのをカーラは止めることができない。
やっとカロルドから離れることができたのは、額に柔らかい、彼の唇の感触をしっかり知覚してからだった。
「お、おでこ……!」
「じゃあな。親父がこの部屋から出ないように、見張っててくれよ、義母上」
あまりのことに言葉を失っている間に、カロルドはさっさと扉から外に出てしまった。
絶対からかっているのだ。ソロの前でこんなことをしなくてもいいじゃないか。
顔を真っ赤にしたカーラは、柔らかい感触を捉えた額をごしごしこすってカロルドが消えた扉を見ている。そして、はたと気づいた。
カロルドは最後、唇が触れる寸前にその青い瞳でソロの方を向いてはいなかったか。だとすればきっと、むしろソロに見せることが目的だったに違いない。というか、そう思いたい。カーラはそう考えるが、そんなことになんの意味があるのか、それが全然わからない。
一連の流れをばっちり目撃していたはずのソロの顔を横目で窺っても全く動じていないのが、一番不穏な予感がした。
息子とどういうご関係で、なんて問いただされたら、一体どんな顔をすればいいのだろう。
「ソ、ソロ。カロルドとは本当に、何もないからね……?」
なんでこんな、恋人に浮気現場を見られたみたいな言い訳をしなくちゃいけないのかしら、と思いながらカーラがしどろもどろに言うとソロは少し微笑んで見せて、そのままおもむろに、カロルドが投げ出していったローブを着込んだ。
そしてフードを目深に被って顔を半分隠すと、まるで今度はソロがカロルドになったようだ。
「じゃあ、劇を見に行こうか」
まるで何事もなかったかのように、エスコートするかのように差し出された手に、カーラは思わず掴まった。そしておそるおそる聞いてみる。
「え。でも、観にくるな、って」
「でもほら、あの子、素直じゃないから! 本当は観てほしいのかもしれない」
それはないんじゃないかなあ。
そんなカーラの思考を読んだように、ソロは続けた。
「それに遠隔魔法で見るのも禁止だなんて、そんなの『観てないこと』を証明できなくなるだけだろう? どうせあとから難癖つけられるなら、いっそ堂々と観てやろう」
にっこり笑うその笑顔には有無を言わせない凄みがあった。
――いいのかなあ……?
カロルドへ向けるなけなしの友情がそんな罪悪感をカーラに抱かせるが、一度つないだソロの手を離すなんて選択肢は、カーラの中にすでに残ってはいない。




