表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Life of crystal  作者: 陽炎
1/1

出国

「そろそろいこうか。」


俺の名前は、クレル・デルニエ。このデルカンド王国の第一王子だ。とはいっても、今日でその地位を捨てるのだが…。


この世界に生まれてくる人間は全て、「魂玉(アームバル)」と呼ばれるクリスタルと「異能」を持って生まれてくる。異能はない者もいるが、魂玉に関しては持たないものはいない。これをもたない種族は属に魔物、悪魔、魔人などと呼ばれる。それぞれ意味合いが違うのだが、とにかく人間としては思われない。


俺は、この魂玉が王族にしては極端に小さくまた、異能が鑑定しかない。魂玉の数も3つと平民並みだ。それが原因で王族の落ちこぼれ判明した7歳あの日からずっと個室に閉じこめられてきた。社会的にもその年で病により死んだことにされている。そんな俺の存在王族以外で知ってるのは、許嫁である、シズカ・ナルカミと俺の執事であるサマール・カンドだけである。


父親は殆ど会いに来ないし、弟たちも昔はよく遊びに来ていたが9歳になる頃には顔すら出さなくなった。母親に至っては7歳のあの日に二本の刀をおれに託しそれっきりだ。


俺はこんな生活が嫌になり、20歳となり成人したら、この国から出て行くと決めていた。脱走するにあたり世界が安定して777年たった今日が一番向いている。シズカと、サマールも俺の脱走についてきてくれるらしい。俺がこの国の王子ではなくなるから、もう関係なくなるのに…。


「後はこの隠し通路をたどっていけば王国外に通じているはずです。」


サマールによると現在通ってる道は王族の避難経路らしく、今まで使われたことは一度もないらしい。なぜ、こんな通路をサマールが知っているのかは疑問だが。


「でました!はやく!」


そうこうするうちに、シズカの嬉しそうな声が聞こえてきた。俺も初めての外と言うこともあり、走って行く。そこには、人の何倍も大きな植物が生い茂り、色とりどりの木の実がなり、花が咲き、また沢山のみたことのない生き物がいた。


「これが外の世界…か…。」

「私もこのような世界初めて見ました。王国のものがなにもかも小さく感じます。」

「二人とも。興奮するのは解りますが、ここは王国の外。見ての通り多くの魔物が存在します。この辺りは温和な魔物が多く何かしない限り襲ってはきませんが、気をつけてください。」


サマールは若い頃騎士団長をやっていたような人物なのでこのような世界見慣れているのだろう。至って冷静だ。


「それと、私はこれから本日寝泊まりできる場所を探してきます。この近くに確か村がありましたからそこに行ってきます。」


そう言うと、サマールは左手を振りかざし、

「きなさい!サーシャ!」


そういい放った。

すると天空から足を8本持ち、頭を二つ持つ真っ黒なペガサスが現れた。

これが魂玉の能力だ。魂玉とは二つの生き物の魂をつなげることが出来るものだ。それにより、人は魔物を使役したり、心を通わせ助け合ったりすることが出来る。


ただ、この魂玉、万能というわけでもない。

例えば、一つの魂玉で繫げるのは一つの魂とだけである。また、その大きさに応じて繫げる魂の大きさに差が出てくる。そのため生まれ持った魂玉が小さい人間にはランクの低い生き物としか契約を結べない。また、人によってその形は大きく異なるのだが、その形に応じて契約した生き物の進化先や性質、能力に大きく影響を与えるとされている。


種族 ツインペガサス

名前 サーシャ

ランク B++

レベル52/60

スキル 飛翔 闇魔法 ブレス 幻影魔法

称号 変異体 空の騎士 魅了者 堕天 


通常人が契約できるランクはCランクまでだと言われており、そこから考えるとやはり元騎士団長というのは伊達ではないのだろう。

因みにスキルに関しては俺自身が知らないスキルを持っていた場合表示されない。正直、あまり使い勝手の良くないスキルだ。


また、サマールの魂玉は台形。この形は主に変異体へと進化させる可能性が高い。変異体は必ずしも強くなるわけではなく、弱くなることもある。ただ、ツインペガサスに関してはもともとBランクのペガサスであるため、かなり能力値が上昇している。

ついつい趣味の分析をしていると、


「1時間したら、帰ってくるのでそれまでここにいてください。シズカ様。もしよければ、私が帰るまでクレル様のバディのレベルを上げを手伝って上げていただけませんか?シズカ様ならまずこの辺りの魔物に負ける事はないと思うので。」


「わかりました。」


その返事をきくと、サマールはニコリと微笑み飛んでいってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ